黒部に北方領土史料室

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史料室が整備される黒部市コミュニティセンター=黒部市生地中区

 北方領土返還要求運動富山県民会議(会長・中川忠昭県議会議長)は2020年度、黒部市生地中区の市コミュニティセンターに「県北方領土史料室(仮称)」を整備する。元島民の暮らしや返還要求運動の歴史について写真やパネル、映像などで分かりやすく紹介する。10月までの開設を目指す。

 県内は北方四島からの引き揚げ者が北海道に次いで多いが、資料施設はなく、元島民らが整備を要望していた。昨年8月に県民会議主管で北方領土へのビザなし交流訪問を行ったことなどで返還要求の機運が高まり、整備が決まった。

 センターは、県内で元島民が最も多い黒部市の中でも一番引き揚げ者が多い生地地区にある。3階の空きスペースを活用し、写真やパネルを展示するほか、モニターを使って子どもにも分かりやすい内容とする。事業額は600万円。県、北方領土問題対策協会、黒部市が負担する。完成後の管理運営は黒部市が行う。

 黒部市の20年度予算案の会見で、返還要求運動に長年携わってきた大野久芳市長は「感慨無量。亡くなった元島民に何とか報いることができる」と話した。

 元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟富山支部の吉田義久支部長(82)は「北方領土は先祖の古里だと認識してもらい、今後の返還につながる一つの拠点になればいい」と話した。