<インタビュー> 手倉森誠監督「迷わないサッカー」を

宮崎キャンプで指示を出す手倉森監督=宮崎県西都市、清水台総合公園

 就任2年目の手倉森誠監督に、今季の戦い方とチームビルディングの手応えを聞いた。

 -昨季を踏まえて、どういう戦い方をするか。
 一つのスタイルを確立する前に、柔軟性とかいろいろなものを打ち出しすぎた。求めてはいけないものを求めていた。今年は高い要求に応えられるメンバーがそろった。やりたいのは迷わないサッカー。日本人に合った形の全員攻撃、全員守備、連動性を出す。攻守に仕掛けの姿勢を出さないといけない。

 -強力な補強に成功した。顔触れはJ2トップ級の呼び声が高い。
 攻守の仕掛けで積極性を求めた。ボールを「奪い返す」「攻めきる」「奪われない」。そういう技術を持った選手のスカウトに成功した。ルーキーの獲得も、ものすごくうまくいった。すでに周りと遜色ない。新卒で入った選手がプロで活躍の場を広げるときに、感謝するのは最初のクラブ。そういう生え抜きが強いクラブをつくる。

 -「積極性」という意味では沖縄、宮崎の両キャンプで昨年以上に実戦形式のトレーニングに取り組み、すでにその片りんも見えている。
 新しく来たコーチ陣(原崎政人ヘッドコーチと吉田孝行コーチ)の働きが大きい。俺のやり方を理解してくれているし、選手に伝えてくれる。俺に助言もある。しゃべりすぎなくらいコミュニケーションが活発になった。この編成で良かった。

 -昨季はある程度4バックに固定していたが、今年は3バックを意欲的に試している。
 柔軟性と割り切りが大事。手倉森のサッカーは4バックがベースだけど、日本サッカーの流れで3バックへのチャレンジも必要だと思った。それをやろうとしたときに去年はメンバー編成に悩んでいたけれど、今年は併用できるメンバーでバランスがいい。例えば4バックの中でも「4-4-2」や「4-2-3-1」を使い分ける。

 -改めて今季の意気込みとサポーターへのメッセージを。
 昨年は(その前年に)J1にいたという実績が足かせになり、気持ちにひっかかりがあった。プレーオフにも絡めなかったが、おかげで思い切った大改革ができている。今年は勝っても満足する集団ではない。逆に負けることがあっても簡単に折れない。自分自身も勝負の年。緊張感を持ってシーズンに入りたい。
 人生には必要なことしか起こらない。間違いなくV長崎は過去2シーズン苦しんだ。反省を生かしてここにいるので、しぶといし、そろそろいいことが起こってもいい。目先のことばかりにとらわれると一喜一憂するかもしれないが、V長崎はビジョンがはっきりしているので大丈夫。サポーターの皆さんも前向きなメンタルでいてほしい。

 


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