秋山加入のレッズ 元MVPのボットーを2番で起用へ

レッズのデービッド・ベル監督は、秋山翔吾が加入した外野のレギュラー争いを含め、レギュラーシーズンのラインナップについて具体的な言及を避けている。しかし、昨季のチーム出塁率.315がリーグ12位に終わるなど、そもそもチャンスを作れずに得点力不足に苦しんだことを踏まえ、昨季2番打者として出場した121試合で出塁率.369、OPS.801をマークしたジョーイ・ボットーを今季も引き続き2番打者として起用することを考えているようだ。

ベルはボットーの出塁能力を高く評価している。通算出塁率.421は現役選手のなかでベストの数字であり、2012年の.474を筆頭にリーグ最高出塁率を記録すること実に7回。100試合以上に出場したシーズンで自己最少の12本塁打に終わった2018年でさえ108個の四球を選び、出塁率.417はリーグトップだった。昨季は打率が.261まで低下し、OPS.768はメジャーデビュー以来ワーストの数字だったが、それでも76個の四球を選び、出塁率.357を記録。ベルは高い出塁能力を誇るボットーが2番に最適であると考えている。

レッズは昨季、球団史上最多となる227本もの本塁打を放ったが、得点は前年から5点しか増えず、チーム得点はリーグ12位に低迷。ベルは「昨季、得点が増えなかったのは得点するチャンスの回数の問題だと思っている。得点するチャンスをもっと作る必要があるんだ」とチーム全体の出塁率の向上を課題に挙げる。MVPに輝いた2010年から長い年月が経過し、すでに36歳となって衰えが隠せなくなりつつあるボットーだが、ベルはボットーに「出塁のお手本」としての役割を期待している。

なお、ボットーの前を打つ1番打者については、秋山とニック・センゼルが有力候補と見られている。秋山は日本球界での直近5シーズンで安定して4割前後の出塁率をマークしており、出塁能力の高さをオープン戦でアピールできれば、定位置獲得に大きく前進するはずだ。秋山とボットーが1・2番で出塁マシンとして機能すれば、中軸にエウヘニオ・スアレス、ニック・カステヤーノス、マイク・ムスターカスらを揃えるレッズ打線は、他球団の脅威となるに違いない。

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