活動終了を発表したレベリオンが3戦連続ポール獲得。トヨタ勢は2、3番手/WECオースティン予選

 2月22日、アメリカ・テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でWEC第5戦ローン・スター・ル・マンの公式予選が行われ、レベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソン(ブルーノ・セナ/グスタボ・メネゼス/ノルマン・ナト組)が上海、バーレーンに続き3戦連続でポールポジションを獲得した。

 WECサンパウロの代替ラウンドとなる今戦は、通常よりも1日少ない2日間での開催となり、走行初日に計2回のプラクティスと、予選が実施される変則的なスケジュールで行われている。

 そんなWECオースティンの予選は日没が迫る17時40分にLM-GTEクラスからスタート。最高峰のLMP1を含むLMP予選はその30分後に開始された。

 セッションスタート後、LMP1クラスの3台はすぐにはコースインせずピットロードに留まる。1分過ぎ、レベリオンがLMP2カーに混ざってコースインするも、トヨタ勢はまだ動かず。
 
 そんななか1号車レベリオンを駆るメネゼスが1分47秒674を記録して暫定トップに立つ。予選開始から約3分後、2台同時にコースに入ったトヨタ勢は中嶋一貴の8号車トヨタTS050ハイブリッドが1分48秒214をマークして暫定2番手につける。

 一方、ホセ-マリア・ロペスがドライブする7号車トヨタTS050ハイブリッドの最初のアタックは1分48秒956で暫定4番手。ニック・デ・フリース駆るレーシングチーム・ネーデルランドの29号車オレカ07・ギブソンの1分48秒695を上回ることができなかったが、2度目のアタックで1分48秒634にタイムを伸ばし、これを逆転した。

 セッション後半に入り各車が後半担当のドライバーにスイッチしていく。暫定首位のレベリオンはメネゼスから代わったナトがアタックに入り1分48秒087を記録。ふたりのドライバーの平均ラップタイムを1分47秒880とする。
 
 ナトはその後もアタックを続け、セッション残り6分の時点でセクター1、セクター2でベストタイムを刻んでいくが、このタイミングでハイクラス・レーシングの33号車オレカ07・ギブソンがコース上にストップしたことで、赤旗が出されベストタイム更新が阻まれてしまう。
 
 セッションは残り時間5分26秒で再開。この時点で、まだ後半ドライバーのアタックが完了していなかったトヨタ勢は真っ先にコースインしていく。8号車トヨタは一貴から代わったブレンドン・ハートレーがアタックに入り1分48秒416というタイムを記録するも、痛恨のトラックリミットオーバーでタイム取り消しに。
 
 一方、7号車トヨタのマイク・コンウェイは平均タイムを1分49秒161として暫定2番手につける。最後は時間との戦いになった僚友8号車の平均ラップタイムは1分49秒431に留まり、7号車がそのままフロントローを獲得。8号車は予選3番手となった。

TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド
WECにデビューを飾ったコルベット・レーシングの63号車シボレー・コルベットC8.R

■新型コルベットのWECデビュー戦は予選最下位

 暫定首位のレベリオンもナトが再アタックを行い、全体ベストとなる1分47秒487を記録してみせる。これにより平均タイムは1分47秒530となり堂々のポールポジション獲得。レベリオンはFP2でエンジンブローに見舞われており、この予選に向けて懸命に修復作業を行ったスタッフの努力に報いた結果となった。

 LMP2クラスではクール・レーシングの42号車オレカ07・ギブソン(ニコラ・ラピエール/アントニン・ボルガ/アレクサンドレ・コニー組)が逆転でクラスポールを奪取。平均タイムは1分49秒910だった。

 今戦から使用タイヤがダンロップからミシュランに変更されているハイクラス・レーシングは山下健太とフィヨルドバッハがアタックを行い、クラス8番手となっている。

 LM-GTE Proクラスはランキング首位でオースティンに乗り込んだ、アストンマーティン・レーシングの95号車アストンマーティン・バンテージAMR(マルコ・ソーレンセン/ニッキー・ティーム組)が2分00秒733という平均タイムでポールポジションを獲得した。
 
 アストンマーティンは3番手にも僚友97号車バンテージAMRが入り、ワン・スリー。クラス2番手には直前のFP2でトップタイムをマークしていたポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSRがつけている。
 
 GTE Amクラスのポールを奪ったのはチーム・プロジェクト1の56号車ポルシェ911 RSRだ。2番手にはアストンマーティン・レーシングの98号車アストンマーティン・バンテージAMRがつけ、Proクラス最後尾に沈んだコルベット・レーシングの63号車シボレー・コルベットC8.Rを挟んで、デンプシー・プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSRがクラス3番手となった。

 石川資章/オリビエ・ベレッタケイ・コッツォリーノ組MRレーシングの70号車フェラーリ488 GTE Evoはクラス9番手から決勝に臨む。
 
 WECの2020年ファーストレースとなる第5戦ローン・スター・ル・マンは23日12時(日本時間24日3時)に、6時間レースのスタートが切られる予定だ。

チーム・プロジェクト1の56号車ポルシェ911 RSR
予選2番手につけた7号車トヨタTS050ハイブリッド
クール・レーシングの42号車オレカ07・ギブソン
チーム・プロジェクト1の57号車ポルシェは、オースティンとセブリングでウインズカラーをまとう。

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