「IRコース」新設検討 ギャンブル依存症対策も研究 長崎国際大

 長崎県と佐世保市がハウステンボス(HTB)への誘致を目指す、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備を想定し、長崎国際大(佐世保市)が、人間社会学部国際観光学科に「IRマネジメントコース」(仮称)の新設を検討していることが22日、県や長崎国際大の関係者への取材で分かった。ギャンブル依存症などの懸念事項対策も研究対象にしており、将来的に新たな学科の設置も模索する。
 世界的なIRがある米国やマカオなどでは、大学が人材育成や課題研究の役割を果たしている。国は2021年以降に国内で最大3カ所のIR整備地域を決める方針。国内の大学にIRを専門とする学科はないという。
 関係者によると、県が昨年10月、大学側に「人材育成の方向性を示してほしい」と要請した。これを受け、大学は国際観光学科の教員らでつくる検討委員会を設置。本県のIRに関心を持つ複数の事業者から意見を聞いたほか、マカオのIRや大学を視察するなどして議論を重ねてきた。
 検討委が1月にまとめた指針によると、早ければ22年度に設置できないかを検討。専門分野の教員確保が課題となるが、誘致の実現を想定した取り組みを進め、「IR人材育成の日本におけるハブ(拠点)となることを目指す」とした。
 大学は2月に県に方針を報告。新年度に全学部での具体的な検討を進める。九州のほかの大学との連携も視野に入れている。
 長崎国際大を運営する九州文化学園の安部直樹理事長は「誘致が実現した場合は、地元の大学としての責務を負う必要がある。ギャンブル依存症などのデメリットについても研究し、軽減する方策も考えていく」と話している。

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