五輪懸け「感謝の走りを」 十八銀行・野上恵子 名古屋ウィメンズマラソン出場

五輪切符を懸けた「自分自身との戦い」に挑む野上(十八銀行)=長崎市営陸上競技場

 東京五輪女子代表の残り1枠を争う最終選考レース「名古屋ウィメンズマラソン」は3月8日、名古屋市のナゴヤドーム発着コースで行われる。県勢は招待選手に十八銀行の野上恵子が名を連ねた。勝負の42.195キロへ挑む34歳は「誰にでも与えられたチャンスじゃない。支えてくれた方々に感謝の気持ちを届けられるよう、しっかりと自分の力を発揮したい」と意気込む。
 1月の大阪国際女子マラソンで、松田瑞生(ダイハツ)が日本陸連の設定突破となる2時間21分47秒をマーク。五輪代表残り1枠の獲得は、松田のタイムを上回って日本勢トップに立つことが条件となるため、野上も「2時間21分台」を目指している。
 自己ベストは2018年名古屋で出した2時間26分33秒。5位で終えた昨年9月のマラソングランドチャンピオンシップ以降、ハーフマラソンと全国都道府県対抗女子駅伝(9区10キロ)を挟みながら、スピードを上げる練習に取り組んできた。
 自身の感覚としては、銀メダルを手にした18年ジャカルタ・アジア大会付近の好調な時期と比べると「不安はある」が、長い距離を走る練習は継続して積めている。今回でマラソン出走10度目という経験値の高さも強みになりそうだ。
 これまでは、途中で自らのペースに切り替え、前から落ちてくるランナーを粘り強く拾って浮上する展開が多かった。ただ、タイムを狙う今回は、速いペースの先頭集団でいかに攻め続けられるかがポイントになる。
 吉井賢監督は「最後につぶれてもいいから、思い切って行けるところまで行って、挑戦する走りをしてほしい」と期待を込めている。

 


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