【フィリピン】ホンダ、四輪工場閉鎖[車両]

3月下旬、生産体制見直しで

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ホンダは22日、フィリピンに構える四輪車工場を3月下旬に閉鎖すると発表した。アジア・大洋州地域での生産体制見直しの一環で、28年間続いた現地生産に幕を下ろす。工場で働く400人弱は解雇する予定。現地生産の終了後は近隣国などから完成車(CBU)を輸入して販売するほか、アフターサービスも継続する。

ホンダは3月下旬に四輪工場を閉鎖する=23日、マニラ首都圏マカティ市(NNA撮影)

ラグナ州サンタロサに構える工場を来月25日にも閉鎖する。年産能力は2交代で約3万台と他国の工場に比べて小さいが、2019年の生産台数は約7,000台にとどまっていた。工場の資産売却などについては調整中という。この工場では小型セダン「シティ」と、小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「BR—V」の2モデルを生産している。

フィリピン工場の閉鎖は、アジア・大洋州での生産体制見直しの一環。顧客のニーズに合った商品を適正な価格で提供するため、効率的な資源配分が必要だと判断した。ホンダの関係者はNNAに対し「アジア・大洋州を地域全体で考えた際、今回の決定が最適との考えに至った」と説明した。

現地生産の終了後も、CBUの輸入販売とアフターサービスは継続する。アジア・大洋州地域の拠点から輸入する考えだが、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の自由貿易協定(FTA)で関税が免除されている域内国から調達する可能性が高いようだ。

ホンダのフィリピンでの販売台数を見ると、19年は前年比12.7%減の2万338台だった。ブランド別では5位で、市場シェアは5.5%にとどまる。販売する12モデルのうち、現地生産の2モデルで計約7,000台、輸入するセダン「アコード」やSUV「CR—V」など10モデルで計約1万3,000台だった。

ホンダは1990年、フィリピンのラグナ州サンタロサに現地法人ホンダ・カーズ・フィリピン(HCPI)を立ち上げ、92年に四輪車の現地生産を始めた。HCPIは生産のほか、CBUの輸入や販売、アフターサービスを手掛けている。従業員数は約650人。

資本金は19億ペソ(約41億6,000万円)で、出資比率はホンダが74.2%、財閥アヤラ・コーポレーション系のACインダストリアル・テクノロジー・ホールディングス(ACインダストリアルズ)が12.9%、財閥ユチェンコ系のリサール商業銀行(RCBC)が12.9%。ACインダストリアルズは、国内10カ所以上でホンダの販売代理店を展開している。

フィリピン政府による自動車メーカーへの現地生産優遇策は奏功しているとはいえない。約20年前に策定された自動車開発計画(MVDP)と包括的自動車産業振興戦略(CARS)があるが、政府はMVDPの見直しを検討している。CARSも適用条件となる生産台数や部品の現地調達基準が厳しく、申請するメーカーは限られている。