ドリトル先生がロバート・ダウニーJr.主演で映画化!「ドリトル先生」シリーズの1,2巻が新訳で同時発売!

(株)KADOKAWAは2020年2月21日に河合祥一郎による新訳で「ドリトル先生」シリーズの1,2巻を角川文庫にて同時発売する。 同シリーズは、 イギリスを舞台に動物のことばが話せるお医者さん・ドリトル先生を描いた児童文学の金字塔で、 1920年に米国で出版されて以来、 世界中で愛されてきた名作。 なお、 続刊の3、 4巻の発売は同年7月を予定しているとのこと。

「ドリトル先生」といえば、 先行の井伏鱒二訳(岩波文庫)を思いうかべる方も多いかと思いが、 あちらは1951~79年にかけて出版されたもので、 時代の制約もあったせいか、 原文どおりに訳されていないところも多くある。 ですが、 本作ではそうした点をすべて改めている。

1巻のラストで、 アヒルのダブダブが焼くおやつが、 先行訳では「パン」だが、 正しくはイングリッシュ・マフィンであるため、 新訳では「マフィン」に。

子ブタのガブガブの好物は、 先行訳では「オランダボウフウ」だが、 正しくは「アメリカボウフウ」。 新訳ではこれを英文そのままの「パースニップ」に。

2巻の冒頭で、 トミー少年がはじめて先生の家に入るとき、 先行訳では「さあ、 おはいり。 靴なんかぬがなくてもよろしい」となっているが、 新訳では「お入り! 靴のどろを足ふきマットで落としたりしなくていいから。 どろんこのまま入っちゃいなさい」に。 英国では靴をぬがない代わりに戸口の外に置いてある足ふきマットで靴の裏をこするのが礼儀であるため。

世にもめずらしい動物pushmi-pullyu(頭が二つある動物)は、 先行訳では「オシツオサレツ」だが、 新訳では「ボクコチキミアチ」に。

など、 ほかにも多くの変更箇所がある。 イギリスの文化背景を知っていないと正しく訳すことができない下りが、 本作では今の日本語で美しく訳されている。

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