白星スタート

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 歌い出しの歌詞は〈風はまだ少しだけ冷たいけれど/空はどこまでも晴れ渡っている〉。さあ、新しい物語が始まる、どこまでもこの道を行こう-何年か前、自動車のCM曲にも使われた小田和正さんの「ワンダフル・ライフ」は春浅いこの時期にぴったりの一曲だ▲この歌詞のようによく晴れた昨日の日曜日、本県のサッカーJ2、V・ファーレン長崎が今季開幕戦に臨んだ。新型肺炎の脅威が広がっている。客席には白いマスクが目立ち、観客数はわずかに1万人に届かなかったが、待ちに待ったこの日▲試合が動いたのは前半22分。敵陣でのセットプレーで、新加入のDFフレイレ選手が思い切りよく飛び込んで先制点を挙げた。その後、相手の猛攻に肝を冷やす場面が何度もあったが、どうにか逃げ切った▲辛勝-。しかし、サッカーは、数ある球技の中で最も点数の入りにくい競技だ。少ない好機をしっかり得点につなげ、虎の子の1点を守り抜くのは、最もよくある勝ち方の一つ▲2013年のJ2初参戦から数えて8年目のシーズン。「V長崎の開幕戦」はすっかり長崎の春の季語になった▲歓喜と興奮の年があった。失意をかみしめた年もあった。今年のV長崎と私たちに待っているのはどんな物語だろう。最初のページは幸先よく白星で始まった。(智)