「死」気軽に、率直に考える/「デスカフェ」青森の社福法人開催/宗派違う僧侶3人が回答者

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デスカフェに招かれた3住職。左から楠美さん、本間さん、柿崎さん
住職の回答にじっくり聞き入る参加者たち

 誰もがいつかは迎える「死」について、気軽に、率直に語り合おうと、青森市の社会福祉法人が昨年2月から「デスカフェ」の開催に取り組んでいる。3回目となったイベントには、宗派が異なる3人の僧侶が回答者として招かれ、参加者と意見を交わした。

 「霊はいるのでしょうか?」「戒名がなぜ必要か分かりません」「悟りを開くと悩みが消えますか?」

 15日、青森市横内にある青森中央学院大学内のフリースペース。参加者から事前に募った質問が発表されると笑い声も漏れ、会場はリラックスした雰囲気に包まれた。テーブルにはコーヒーやジュース、お菓子も用意されている。

 参加者は主催スタッフも含め大学生から高齢者まで男女約60人。地域住民、葬祭業者、教員、医療・福祉関係者など顔ぶれはさまざまだ。

 ゲスト僧侶は、市内にある正覚寺(浄土宗)の楠美知剛さん(47)、蓮心寺(浄土真宗)の本間義悦さん(66)、清涼寺(曹洞宗)の柿崎宏隆さん(43)の3住職。クイズ番組で見られる早押しボタンを押してから回答した。

 「死んだらどうなる?」の質問。柿崎さんは「答えようがありません」と語り始めた。「仏教は苦しみを消すための方法を探す宗教。なぜ生まれてきたのか、死ぬのか(答えを)求めてしまう自分を見つめていくことが大事で、そこに仏教の深さがあります」

 デスカフェは、2004年にスイスの社会学者が妻の死をきっかけに始めたとされる。以来、イギリスをはじめ世界数十カ国に広まった。約束ごともある。宗教的勧誘をしない、知ってしまった個人の秘密は漏らさない、特定の結論を出そうとしない-などだ。

 主催した中央福祉会(石田憲久理事長)は特別養護老人ホーム「三思園」を運営している。デスカフェは地域住民との交流を目的に始め、昨年6月の2回目は参加者が実際に棺おけに入る体験会も行った。

 長寿をサポートする立場の老人ホームが、あえて「死」を取り上げるのはどうしてなのか。

 「私たちは、園内で入所者が最期を迎える『看取(みと)り』を行っていますが、自分が望む形で人生を全うしたいという入所者やご家族の気持ちを大切にしています。死を見つめるということは、生きることを考えることにもつながるのです」。三思園の渡部久子施設長はこう説明した。

 青森中央学院大学3年の中野渡美波さん(21)は「家族からもらった命を大事に大切にし、自分が思い描くように強く生きたい」と参加した感想を話した。