明治から昭和のひな飾り並ぶ 長崎歴文博で特集展

個性豊かなひな飾りが会場を彩る特集展=長崎市、長崎歴史文化博物館

 長崎歴史文化博物館(長崎市立山1丁目)2階常設展示室で特集展「季節づくし展-正月・節分・桃の節句」が開かれている。1~3月の季節の行事や風習にちなんだ、同館収蔵の絵や珍しいひな飾りなど約30点を展示している。
 毎年正月の恒例だった「絵踏み」をはじめ、長崎では独特の行事や風習があり、それらは「長崎歳時記」(1797年)にまとめられている。桃の節句のひな飾りについては、各家で飾りや並べ方にそれぞれ違いがあり、互いに見物し合って楽しんでいる様子が記されているという。
 今回展示しているひな飾りは、明治から昭和初期に長崎の家で実際に飾られたもの。「御殿飾り雛」は、ひな飾りのルーツである京都御所の正殿・紫宸殿(ししんでん)を模した御殿を、内裏びなをはじめとした人形が彩る。このほか京都御所全体を模型にした「御所雛飾」や、女の子のままごとにも使われた台所用品の精巧なミニチュアなど、個性豊かなひな飾り・道具からは、当時の人々が節句を楽しむ様子がうかがえる。
 「年中行事絵 正月図」や「同 雛祭り図」など、出島出入絵師・川原慶賀の絵も複数展示。同館の担当者は「現在まで続く身近な文化として、またミニチュアが好きな人にも気軽に楽しんでほしい」と話している。
 展示は3月15日まで。2月17日休館。常設展の観覧料が必要(県内小中学生は無料)。

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