路地裏「名店」、気軽に〝つまみぐい〟 新丸子でイベント

「つまみさん」の描かれたポスターを手にする久門さん=川崎市中原区

 路地裏の隠れた名店をPRするイベントが3月6日から、東急線新丸子駅(川崎市中原区)周辺で開かれる。商店主有志で結成した新丸子路地裏連合が主催。30店が「ワンコインを中心とした特別メニュー」を3日間限定で提供する。同連合の代表で、写真館「写真道場」店主の久門易(くもんやすし)さん(58)は「お客さんの『知りたい』とお店の『知ってもらいたい』をつなぎたい」と意欲を語っている。

 催しは「新丸子のお店つまみぐいまつり」と銘打ち、初めて開催する。「お店を気軽につまみぐいしてもらいたい」との願いが込められており、昨年8月ごろから店舗関係者で構想を練り上げてきた。

 新丸子エリアは武蔵小杉駅からも徒歩圏にある。ここ数年でタワーマンションエリアを中心に、若い世代の新住民が急激に増えてきたが、「個人店に興味はあっても少し入りづらい」との意見もあったという。一方の個人店側も、新住民に気軽に足を運んでもらう仕掛けづくりに苦慮し、単独で多くの宣伝費をかけられない事情もあった。

 双方の課題を解決するべく、発案されたのが今回のイベントだった。エリアの店舗関係者で昨年10月に同連合も立ち上げ、準備を進めてきた。

 イベントには30店舗が参加。飲食店はお値打ちメニューを取りそろえる予定で、通常900円の天ぷらの盛り合わせや780円のお好み焼きを500円で提供する。自転車店、雑貨店、ダンススクールも参加し、独自の体験メニューや商品を用意し、来店者に楽しんでもらう。

 本番に向けて、参加店舗の場所が明示された保存版のマップも2万枚作製し、エリア内にポスティングする。スタンプラリーも企画し、訪れた店舗数に応じて、オリジナルキャラクター「つまみさん」の缶バッジやエコバッグ、Tシャツなどをプレゼントする。

 久門さんによると、路地裏の店舗はテナント家賃も安いことから、チェーン店とは異なる魅力的な店も多いという。久門さんは「来年以降も店舗数を増やして続けていきたい」と話している。

 イベントは3月8日まで。時間は各店舗の営業時間に準ずる。問い合わせは、写真道場電話044(433)7212。

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