「初任給を計算してみたら手取り13万円だった。なんとか一人暮らしできるかな?」本記事をお読みの方はそういう疑問を持っているのではないでしょうか。家賃の高い都市部では少々厳しい印象もありますが、実際に手取り13万円で一人暮らしをするとしたらどうなるか解説します。
手取り13万円で一人暮らしは可能?
固定費の中でも金額が大きいのが家賃です。比較的割安で住める社宅や寮がある会社はあまり多くありませんので、都内で一人暮らしをする場合の家賃相場を見てみましょう。
家賃の相場を見てみよう
ワンルーム 1K/1DK 1LDK/2K/2DK 千代田区 6.6万円 8.7万円 16.7万円 中央区 8.2万円 9.5万円 14.3万円 港区 7.5万円 9.6万円 17.5万円 新宿区 7.5万円 8.9万円 14.3万円 文京区 7.7万円 8.8万円 13.2万円 台東区 7.8万円 8.7万円 12.4万円 墨田区 7.2万円 8.1万円 11.5万円 江東区 7.3万円 8.2万円 11.9万円 品川区 7.8万円 8.9万円 13.1万円 目黒区 7.7万円 8.9万円 13.5万円 大田区 6.7万円 7.6万円 10.8万円 世田谷区 7.0万円 8.0万円 11.6万円 渋谷区 7.8万円 9.5万円 16.2万円 中野区 7.5万円 8.2万円 11.2万円 杉並区 6.8万円 7.6万円 10.9万円 豊島区 6.9万円 8.0万円 12.1万円 北区 6.4万円 7.2万円 10.4万円 荒川区 6.8万円 7.5万円 10.4万円 板橋区 6.2万円 6.8万円 9.3万円 練馬区 6.1万円 6.7万円 9.2万円 足立区 5.8万円 6.3万円 8.3万円 葛飾区 5.7万円 6.2万円 8.0万円 江戸川区 5.6万円 6.2万円 8.4万円
(引用元:(東京都の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる | SUUMOより筆者作成))
一般的に家賃は収入の30%程度にとどめておくといいと言われています。手取り額を13万円とすると30%は4万円程度に当たりますが、その予算感だと都内に住むのは少し難しいことが分かります。
生活費は何にどれくらいかかる?
「家賃が高くても生活費を切り詰めればなんとかなるのでは?」と考える人もいるでしょう。実際、政府統計によると単身者の生活費はそこまで高くないようです。平均の数字を確かめましょう。
- 水道・光熱費:約10,000円
- 日用品・雑費:約20,000円
- 通信費:約15,000円
ただし、2018年の家計調査を見ると、平均年齢は59.3歳、有業者は約5割、持ち家率も約5割となっています。引退世代が多く含まれる中の数値となっていますので、現役で働く人は全体的にもう少し出費がある可能性があります。
また、食費は切り詰めようとしても最低限の額が必要になります。仮に1食500円で済ませるとして、1ヶ月30日の食費は500円×3食×30日で45,000円です。1食500円だと、チェーン店の牛丼にサラダを付ける程度になりますので、「意外とお金がかかるな」と思った方もいるのではないでしょうか。
これらの支出を合わせてみましょう。
水道・光熱費 ¥10,000 日用品・雑費 ¥20,000 通信費 ¥15,000 食費 ¥45,000 小計 ¥90,000 家賃に充てられる金額 ¥40,000
こうしてみると都心での一人暮らしは少し難しそうです。ルームシェアなどを検討してみるのも方法の一つです。
参考
住まいのお役立ち情報│ホームズ
家計調査 / 家計収支編 単身世帯 年報 | e-Stat
牛めし|松屋
それ以外に出て行くお金はある?
また、奨学金や学生ローンを返済しなければならないという人もいるのではないでしょうか。借りた額は人によって異なりますが、日本学生支援機構が一例を公開しています。
(例)毎月3万円の奨学金を4年間(48か月)貸与を受けた(総額144万円)場合
貸与総額144万円 ÷ 割賦金の基礎額11万円 = 13.09 → 156回(13年間)で返還
(引用元:返還期間(回数) |独立行政法人日本学生支援機構)
144万円を156回で返還する場合は月々の返済額が9,000円程度となります。収入が少ない人については返済の期限を延ばすことも可能です。すぐに返還を始められそうか、その他の生活費とともに支出の計画を立ててみてください。
参考
返還期限猶予 | JASSO
ボーナスの有無も重要
手取額が同じでも、ボーナスがあるかないか、ある人はどのくらいもらえるのかによって年間の収支は大きく変わります。ボーナスがあるなら、月々の収支がぎりぎりであっても貯金をしたり旅行の費用に充てたりすることが可能です。就職先を決めるときはこのような点もしっかり見ておきましょう。
手取り13万円の一人暮らし、注意点は?
手取り13万円での一人暮らしは、住まい・生活費・その他の支出のどこかを削る必要がありそうだと分かりました。それ以外に注意すべき点を簡単に解説します。
引っ越し費用は出せる?
まずは引っ越し費用です。単身者の場合安くても20,000円前後の費用がかかります。この金額をすぐに捻出できるかどうか考えてみてください。
また、家を借りるに当たっては敷金・火災保険・家賃の前払い等の費用がまとめてかかります。これらの予算感も事前に確認しておいてください。
参考
単身パックS・L(WEB割引き実施中) 単身のお引越し | 【引越しは日通】
急な出費、対応できる?
「インフルエンザになった」「友達の結婚式がある」等、想定もしていないような出費はしばしば発生します。手取額でぎりぎり生活できるように予算を組んでいると、不測の事態に対応できません。このようなときにどうするかも考えておきましょう。
生命保険などはどうする?
「若いし健康だから生命保険には入らない」という人もいるでしょう。しかし思いがけない病気になったりする可能性は誰にでもあります。生命保険は保険料の安い若いころに加入しておいた方がいいという人もいます。何を優先するかは人それぞれですが、健康を害したときにはどうやって生活するのかは健康なうちから考えておくことをおすすめします。
きちんとバランスの取れた食生活ができる?
バランスの取れた食生活をするには自炊が一番ですが、時間的に難しいという人もいるでしょう。自炊をすると光熱費がかかるので、外食の方が安いと感じる人もいるようです。また、家賃の安さを重視して住まいを選ぶと、通勤時間がかさんでしまうということもあります。食生活は健康の基本なので、おろそかにしないようにしてください。
家事の外注は難しい。時間はある?
一人暮らしの場合、掃除は最低限で済ますことが可能です。自炊もしないとしても、洗濯などの最低限の家事は発生してしまいます。これらをする時間の余裕はあるか事前に考えておきましょう。ワイシャツであれば一週間分以上用意しておく、洗濯は週末にまとめてするなど工夫して快適な生活ができるようにしましょう。
まとめ
手取り13万円での一人暮らしは、少しハードルが高いものです。しかしせっかくの機会、独力で頑張りたいという人も多いでしょう。無理をしないこと、どこかに余裕を持たせることが一人暮らしの秘訣です。何を重視してどこを削るか、よく事前に考えて新生活に臨んでください。
参考
給与手取り計算│イージー給料計算
給料手取り計算【平成31年3月改正版】│ヒューマンバリュー
教育一般貸付(国の教育ローン)|日本政策金融公庫
東京都の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる | SUUMO