OB訪問に使えるビジネスメールの基本

「OB訪問は各自相手にメールでアポイントを取ってください」。頼りにしていた大学のキャリアセンターからそう言われて緊張している人もいるのではないでしょうか。「ビジネスメールって書いたことがない!」「どうすれば失礼にならないかな?」。そんな人のために、OB訪問で使えるビジネスメールの基本を解説します。

OB訪問以外でも使えるビジネスメールの基本

就職活動で初めて本格的にEメールを使うようになったという人もいるのではないでしょうか。近年では、だいたいこのように書けば良いというビジネスメールの基本型があります。それに沿ってお願いのメールを書いてみましょう。

例文

まずは、初めて連絡するOB宛てにメールを送るという設定の例文を紹介します。続いて、各ポイントを解説していきます。

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①件名:OB訪問につきまして(◇◇大学●●学部××学科:フルネーム)

②○○株式会社

○○部○○課

○○様

③初めてメールさせていただきます。

◇◇大学●●学部××学科3年のフルネームと申します。

○○様のことは就職課より紹介いただきました。

④この度はOB訪問をさせていただきたく、お願いのメールを差し上げております。

もしよろしければお時間をいただけませんでしょうか。

お伺いする日時の候補としては○月○日〜○日ごろと考えておりますが、

ご都合に合わせて調整させていただければ幸いです。

大変お忙しいと存じますので、まずは訪問が可能かをお伺いしたいと思っております。

恐れ入りますがお返事いただけますと幸いです。

⑤それでは何卒よろしくお願い申し上げます。

⑥署名

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①件名

仕事用のメールボックスにはたくさんのメールが来るため、件名で重要かどうかを判断するという人も少なくありません。件名のないメールは読まないという人もいます。件名は必ず書くようにしましょう。

②宛先

日本語のビジネスメールでは本文の最初に宛先を書きます。会社員に送る場合は、会社名から部署までの所属も書きましょう。誤字があると印象が悪くなりますので、タイプミスに注意してください。

③名乗り

宛先を書いた後は改行して名乗ります。初めてメールを送る相手には簡単に「初めまして」としても良いですが、OB訪問をお願いする立場なので先の例文のように、もう少していねいに挨拶をすると良いでしょう。

名乗るときは、あらためて大学名や学科名、フルネームを書きましょう。OB訪問を受け付けている人はたくさんの学生と会います。実際に会うときに「ああ、××学科の人か」と思い出してもらえるよう、所属は常に記載しておくことをおすすめします。

また、どういう経路で連絡してきたのかも書いておくと良いでしょう。人によってはOB訪問を受け付けていることを忘れてしまっているかもしれません。驚かせないような配慮が必要です。

④用件

続いて用件に入ります。この場合は「OB訪問をしたい」ですが、まずは相手の都合を確認することを忘れないようにしましょう。

就活生の中には、授業やアルバイトの合間を縫って就職活動をしているため「○日の○時でないと行けない」という人もいるかもしれません。しかし、先方にも同様に都合がありますし、「今は忙しくてとてもじゃないけどOB訪問の対応などできない」ということもありえます。

「OB訪問に行ける」前提ではなく、「OB訪問を受け付けてもらえるか」というニュアンスで質問しましょう。日時を指定しすぎるのも相手の負担になりますが、いつごろかまったく分からないのも相手を困らせるかもしれませんので、「だいたいこのくらいの時期に伺いたいです」と目安を書いておくと親切です。

⑤締めの挨拶

新卒採用の一環としてOB訪問に取り組んでいる人もいますが、日常の業務とはまったく関係なく純粋な厚意で引き受けている人もいます。お礼の気持ちを忘れずに、最後に挨拶をしましょう。「ご多用中恐縮です」「お忙しい中とは存じますが」「引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます」といったフレーズが使えます。

⑥署名

署名はメールソフトに保存できるので、定型文を作っておくと良いでしょう。以下に例を示します。

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◇◇大学●●学部××学科3年

△△専攻(△△研究室)

フルネーム

電話番号

メールアドレス

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メール以外に電話番号も入れておくと、緊急時に相手が連絡を取りやすくなります。もちろん個人情報ですので、相手によっては削除するなど、日常的な配慮を欠かさないようにしてください。

OB訪問をお願いするときの注意点

続いて、メールでOB訪問をお願いする際に特に注意したい点を解説していきます。勝手が分からないことも多いでしょうが、連絡はできるだけ早く、正確にすることが大切です。

どこの誰かを件名ではっきりと

OB訪問を受け付けている人には依頼のメールが複数届きます。就活生全員が「OB訪問につきまして」という件名でメールを送ってくると、「あれ、この人は誰だっけ? どのメールだっけ?」と混乱してしまいます。

件名には、どこの誰かがすぐに分かるように、所属と氏名を入れておくことをおすすめします。これはOB訪問以外に、授業のレポートをメールで送信するときなどにも心がけると良いでしょう。

スケジュールには余裕を持って

前述したように、OBは仕事の合間を縫ってOB訪問を受け付けています。現在はトラブル防止のため、業務時間内にオフィスの中でのみ訪問を受け付けるという会社も多いようです。比較的自由に動ける休憩時間や終業後が使えないので、日程調整に時間がかかるかもしれません。

そのため、OB訪問の依頼は早めに出すようにしましょう。「今週お願いします」などはまず難しいと思っておきましょう。自分の都合も踏まえて、先々2週間分程度のスケジュールを提案すると調整しやすいでしょう。

OB訪問の返事が来たときの注意点

「OB訪問の返事はできるだけ当日中に出しましょう」と指南する就活サイトもあります。すぐに返信できるよう頻繁にメールボックスの確認までする必要はありませんが、返事が遅すぎると「メールが届いてないかな?」と先方に余計な心配をかけてしまう可能性もあります。

返事が来たら、一両日中には返信するようにしましょう。とくにスケジュール調整をしている場合は、こちらのために予定を空けてもらっている可能性もあります。先方の仕事に影響しないよう、早めに返事を出しましょう。

OK・NGに関わらず返信する

「普段は受け付けているけれど今は無理」という返事が来ることもあります。がっかりするかもしれませんが、そういったときもきちんとお礼の返信をしましょう。場合によっては数ヶ月後に「今なら大丈夫」という連絡が来る可能性もあります。

アポが取れた場合は緊急連絡先を伝える

OB訪問の日時が約束できたら、念のため緊急連絡先を伝えておきましょう。当日交通機関が止まってしまうなどの緊急事態が起こるかもしれませんし、悪天候などで訪問先の会社が臨時休業になることもあります。すぐに連絡が取れる携帯電話の番号を伝えておくと良いでしょう。

日時はメールに明記しておくこと

アポイントの日時を勘違いするのは、ビジネスマンでもたまにやってしまう失敗です。それを避けるため、訪問が決まったら日時と場所をメールに明記して再確認しましょう。

「ありがとうございます。それでは○月○日○時に貴社受付にお伺いします。当日はどうぞよろしくお願いします。」など、お礼の言葉に添えると自然に書くことができます。

OB訪問が終わったあとの注意点

OB訪問は緊張するものなので、終わったら少しのんびりしたくなるかもしれません。しかし、面倒になったり忘れてしまう前にお礼のメールだけは送っておきましょう。

お礼メールは必ず出そう

「優秀な部下がほしい」「お世話になった母校の後輩だから」「人事に頼まれているから」など、OBがOB訪問を受け付ける動機はさまざまです。しかし共通しているのは、よく知らない初対面の学生のためにわざわざスケジュールを空けてくれたことです。

このことに対して、できるだけ早くお礼のメールを送りましょう。時間が経つと当日の記憶が不鮮明になったり、よりおっくうになってしまうかもしれません。当日や次の日など、時間を決めて送ることをおすすめします。

感想などを追記すると喜ばれるかも

OB訪問では、学生と同様にOBも緊張するそうです。「めんどくさい大人だと思われたかな」「こういう上司は嫌だと思われていないと良いな」など、学生が思いもよらないことを気にしていることもあります。

そのため、「○○様にお目にかかってより業界への興味が湧きました」「働きやすそうな社風で憧れが増しました」など、簡単で良いので感想を送ると喜んでもらえることが多いです。「こんなことを書いたら変に思われないかな」などと気にせず、素直な感想を添えましょう。

まとめ

メールでのやりとりは表情や声色が分からない分、文体が印象に残ります。ていねいに書くことを忘れず、かつ分かりやすいよう意識してメールを書くようにしましょう。今回の記事を実りある就職活動のための参考になさってください。

参考

【例文付き】OB・OG訪問で役に立つメールの書き方 | リクナビ就活準備ガイド

【就活メールの例文/件名】OB訪問・内定時のお礼、面接日程変更/辞退、説明会キャンセルなど|就活サイト【ONE CAREER】

【テンプレ付き】OB訪問のメールで押さえるべき要点 | MatcherDictionary

これで完璧!OB訪問の依頼メールの書き方【例文あり】 | 賢者の就活

OB・OG訪問の依頼の仕方 〜メールの書き方・電話のかけ方〜|マイナビ新卒紹介

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