立憲民主党と国民民主党の合併がうまくいかず、野党共闘ムードが低下する中、れいわ新選組がいよいよ独自の次期衆院選候補予定者を発表しました。
ゲストにお迎えしたのはJX通信社の米重克洋さん。番組内容をダイジェスでお伝えします。
まずは8人の候補予定者を発表!
乙武 「今回のテーマはこちら。れいわ新選組 次期衆院選候補 予定者発表!ということですが」
千葉 「はい昨日、れいわ新選組は次の衆議院選挙に擁立する候補者を始めて発表しました。
消費税率の5%への引き下げを共通政策に、ほかの与党と共闘したいという考えは変わらないものの、独自候補を発表したことになります。米重さん、このタイミングで発表があったっていうのはいかがですか?」
米重 「この秋に、おそらく衆院選が行われるであろうという見方が今、広まっている状態なんですね。なのでそれに向けて野党の中でしっかり統一候補を立てていきたいというのは、おそらくれいわも含めた野党全体の考え方とは思います。
その中でもたとえば消費税を5%に減税するなど、れいわ新選組独自の主張や政策がありますので、そういうことをしっかり他の野党と交渉していくという意味でも、今の時点で候補者が立っていてその人たちが地元で活動しているということが、今後のれいわの交渉力を強めることになるんじゃないかという判断なのでは、と思います」
乙武 「これは他の野党に対して『5%呑めよ!』っていうメッセージってことなんですかね?」
米重 「だと思います。やっぱり、候補者も立てずに選挙区調整とかの交渉をしても、ラチがあかないわけですよ。
なので実際に一定の選挙区に候補者がちゃんと立っているという状況を作ったうえで『こういう政策どうですか? 呑んでくださいよ』という風に提示するというやり方は、交渉として基本的な姿勢なのかな、と見ています」
千葉 「はい、ここで昨日発表された東京、埼玉、千葉3都県の小選挙区に擁立する計7名の候補者をご紹介します」
千葉 「こちらとプラスして本日、東海ブロックの静岡2区に大池幸男さんも加えまして、計8名が現時点でのれいわ新選組の候補者になります」
乙武 「米重さん、どう? 注目は?」
米重 「そうですね。やっぱりどことなく見たことがある人たちが並んでるなっていうのが第一印象なんですけど、その中で注目するのは太田かずみさんですね。
この人は千葉8区で今回、公認されるようですが、もともと千葉県議会の議員で、松戸の選挙区だった方なんです。そして柏の出身でもあるということで、今回は柏を含む千葉8区ということになった経緯があるようです。
太田かずみさんは、ご記憶の方もいらっしゃると思うんですけど、もともと民主党の議員さんだったわけですね。農水大臣なども務められた斎藤健さんを破る形で初当選されて、その後1度、選挙区が福島になって、前回はこの千葉8区で出られていると。
ちなみに千葉8区というのは、自民党でいうとあの桜田義孝さん、前オリンピック担当大臣です。
失言メーカーとして有名になってしまった方ですが、その桜田さんの対抗馬として今回、太田さんが公認されたということで、けっこうおもしろい選挙になるかなと思ってみています」
乙武 「なるほど。太田さんは当時『小沢ガールズ』なんて呼ばれていた方のひとりだったわけだ。れいわ新選組候補としてお名前が挙がってきたということは、当然、山本太郎さんともともと同じ党でやってきた小沢一郎さんとのつながりが依然強いという見方ができるんですかね」
米重 「そうですね、率直に言ってそういう印象が私もあります。太田さんは実際に、今年の小沢邸で行われた新年会に出てらっしゃったようで、ご本人がSNSに写真をアップされていますし。
そういう状況を踏まえて考えると、おそらく山本さんと小沢さんで何か連携していこうという、ひとつの形の表れが、太田さんのれいわ新選組公認だったのかという印象ですね」
乙武 「太田さんの公認は、これまでの流れの中でも自然な気がするんだけど、くしぶち万里さんはけっこう意外!」
米重 「くしぶちさんは元職ですけど、彼女も民主党の出身者なので、今回れいわで公認されたというのは私も『え、くしぶちさんそこに来るんだ』という印象は受けましたね」
乙武 「ねぇ、立憲あたりから再起を期すのかなあと思ってたんですけど」
米重 「そんな感じでしたよね。なのに立憲でも国民でもなく、れいわなんだというのはちょっと意外でした」
乙武 「ところでこのあたりのメンバーは、党の代表から『他の野党が5%呑んでくれたら、降りてくれよ』みたいな根回しってすでに受けているものなんですか?」
米重 「どうなんですかね。ちょっとそこまでは正直、当事者でないとわからない部分だと思います。ただ基本的には候補者調整しなければ、立憲や国民の候補と戦うことになります。
小選挙区では1人しか当選しないわけですから、1人を通すために他の政党と連携をする過程で、残るのか・降りるのかは交渉で、それぞれの選挙区ごとに決めていくんじゃないかと思いますが」
乙武 「なるほど」
注目される新顔 4人
千葉
「今、太田さんとくしぶちさんのお話が出ましたが、注目される新顔の4名がこちらです」
乙武 「そうかさっきのフリップの上の段の3名(渡辺てる子氏、辻村ちひろ氏、三井よしふみ氏)は前回の参院選でもれいわでお出になっているけど、この4名の方が今回新たにれいわの候補になったってことですね」
米重 「そういうことになります」
乙武 「この北村イタルさんって、どういう方なんですか?」
米重 「この方は、以前に維新の会から出馬歴がありますね。神奈川18区、山際大志郎さんなんかの選挙区ですけど、そのときは落選されているという状況です。
実は私も先ほど知ったんですが、北村さんのお父さんは『週刊金曜日』の元編集長の故・北村肇さん。お母さんは桶川の現職市会議員です」
千葉 「あの、ここでですね。れいわ新選組の新しい候補である北村イタルさんのお母様、桶川市議会議員の北村あやこさんに、今回選挙ドットコムが電話取材を行ったそうなんですが……。
これ言っていいのかなあって感じなんですけど、北村あやこさんに取材したところ『今回のれいわからの出馬は寝耳に水』だと。そして『前回、衆院選に出たときは一家総出で応援してやったのに、その恩を忘れて(れいわから)出たんだから、勝手にやればいい!』と」
乙武 「あっはっはっは」(笑)
千葉 「最後にですね、イタル氏へ一言、メッセージはありますかと伺いましたら『人生の苦労を知れ!』と」
乙武 「ちっとも応援されてませんね」
米重 「いや~厳しいですね」
乙武 「叱咤激励なんですかね?」
米重 「息子さんが選挙に出て、お母さんがこのコメントって相当ですよね」
乙武 「普通ね、ちょっとなんか『え?』っていう思いがあっても『息子の意思を尊重します』くらいにぼやかしますよね。でも今回はそうじゃない。お母さんとこのイタルさんの間に何があったのか、興味津々ですね」
米重 「知りたいです」
千葉 「取材した記者によると、なかなかお怒りのようだったそうです」
乙武 「僕がちょっと気になるのは、くしぶちさんや田島さん、太田さんはそれぞれ民主党からの出馬歴があったり、実際に議員をやられてたわけだけど、北村さんは元維新なわけでしょ。
れいわと当時の民主はわりと相性もいいのかなという気がするんですけど、維新ってどっちかというとれいわと真逆じゃないですか?」
米重 「そうですね。とはいえ維新として神奈川18区から出られたときは、かなり直前に決まったようで、そういう意味ではいろんな人が候補者として挙がってきたうちの1人だったのかなと。だから政策については、維新としっかり一致しているという感じではなかったのかもしれないですね」
千葉ちゃんの注目は『キャラが濃い』渡辺てる子氏
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乙武** 「千葉ちゃんの注目は?」
千葉 「てる子さんが出るのは、気になります」
乙武 「あー、てる子さんはね、けっこうTwitterで暴れん坊なんですよ。まぁまぁ可燃性高い人ですよね」(笑)
米重 「菅官房長官のパンケーキの件に関する……」
乙武 「火付け役ですよね、彼女」
*編集部注:町の人気スポットを紹介する番組で、国会や自民党本部に近い紀尾井町を取り上げた際、ニューオータニホテルのパンケーキが『菅官房長官お気に入り』として紹介されました。その値段が3000円だということを取り上げ、話題となりましたが、その火付け役となったのが渡辺氏のTwitterです。
千葉 「あー!」
米重 「けっこうTwitterで炎上した件ですね。話題になりやすい発信が多い方です」
千葉 「キャラが濃い……」
乙武 「要注目だね」
最近の選挙結果は、どちらも文句なしで現職の再選
千葉 「さてここからは、最新の選挙結果と今後の注目選挙を簡単にご紹介します。
まずはこちら、藤沢市長選です。2月16日に投開票されまして、現職新人三つ巴の闘いになりましたが、現職の鈴木つねおさんが圧勝しました」
米重 「これはもう典型的な地方の現職の再選選挙。よくある構図と言ってもいいのかなと思います。落選された水戸まさしさんという方ですが、もともと民主党の衆議院議員だったですけど、その後維新の会に行ってます。
今回はこの藤沢市長選挙に出られているわけですけど、やはり現職が強かったですね。もともと地方の首長選挙というのは現職が強いというのはよく言われていることなんですが、その通りに反現職票が割れてますね。
仮にまとまったとしても現職の獲得票には遠く及んでいませんから、厳しい選挙だったなと思います」
乙武 「この前、結果が出た前橋市長選挙でも、大臣まで務められた佐田玄一郎さんが、まったく票が取れなかったですよね。
選挙ドットコムちゃんねるを始めて、勉強になったことのひとつが『意外に元国会議員でも地方選挙になると、そんなに票が取れるわけじゃない』ってことだな」
米重 「水戸まさしさんの場合は、神奈川選挙区が前回の選挙区だったんですが、県全体が選挙区で、特別藤沢市でものすごく運動量があったわけではなく、圧倒的に知名度が高いっていうことでもなかったんですよね。
で、先ほどお話に出た佐田玄一郎さんの場合は、そもそも国政選挙に出馬できなくなった、後任が得られなくなったということからの市長選立候補なので、地元の反発もあったようですし、その前にはスキャンダル報道(買春疑惑などの女性問題)もありましたからね。
そういったところで、佐田さんの名前は知っているけどあえて投票しないという人も、けっこういらっしゃったんじゃないかと思います。
千葉 「続いてもうひとつ、滋賀県草津市長選挙では、現職の橋川わたるさんが無投票で、4回目の当選を果たしました」
乙武 「無投票当選」
米重 「これは誰も、もう戦う気がしなかったってことでしょうね」
乙武 「立候補してもさっきの藤沢市のような結果になるのが目に見えてたからってこと?」
米重 「そうですね。あとはまあ単純に、なり手不足からの無投票再選。地方ではよくあるパターンですね」
乙武 「さっきの藤沢の方も草津の市長さんも70代でしょ。いやー日本の政治は70代が動かしているんですかね」
米重 「東京の特別区にも80代の区長とかって何人かいますんでね。まぁやっぱり高齢化が進んでいるんだなあというのは、こういうところからも見て取れますね」
乙武 「単純にね、年齢が高いことが批判の対象になるとは思わないんですが、例えば市政でITを使って効率化していこうということになったとき『いや、わしはよくわからん!』ではなくて、積極的にご自身も触れていくようにはしていただきたいなと思いますね」
米重 「そうですね」
千葉 「そして今後の注目選挙ですが、4月26日の衆議院議員補選ですね。顔ぶれはこのようになっています」
米重 「まぁこれは新聞的には、深沢さんと田中さんの闘いを中心に扱うことになると思います。
自民党の環境大臣だった望月義夫さんが亡くなられての補選ですから、自民党としては、これは弔い選挙ということになりますから、勝たなきゃならない選挙だということになります。その状況で深沢さんが、岸田派の応援を受けて一生懸命戦うと。
これに対して田中さんは野党の統一候補におそらくなるであろうと。立憲もここに候補者は立てないということですし、ひょっとしたら立候補予定の共産党の島津さんを含めた調整があるのかもしれません。
このあたりが本選になるわけですが、じゃあ残りの2人を見てみると、これがネットなどでいろいろと選挙界隈をウォッチしている方であれば、立花さんとえらい店長として知られる矢内さんが、お互いにTwitterやYouTubeなどでもバチバチやりあっているのは周知の事実なんです。
その対決というのも、マニア的な見方としては非常に面白いかもしれません」
乙武 「当選するかどうかじゃなく、立花さんと矢内さんのどっちが多く、票を集めるかってところが見どころなわけだ。なるほど」
米重 「候補者としてはいまひとつマイナーなんだけど、二人の対立の決着が、この選挙でつくのではという…」
乙武 「どっちがブービー賞を取るのか、こっちはこっちで熾烈なバトルなんだね」
千葉 「あははは」
乙武 「選挙ドットコムでは、そのどちらも注目していきたいと思います。それでは今回はここまで!チャンネル登録と高評価、よろしくお願いします」
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