明治期の写真再現 中央図書館で企画展

 横浜市中央図書館(同市西区)が所蔵する明治期の手彩色写真アルバムの中から、最新技術で忠実に複製した横浜の風景写真などを紹介する「明治・横浜・彩色寫眞(しゃしん)展」が2月14日まで、同館1階展示スペースで開かれている。

 手彩色写真は、幕末から明治にかけて、日本各地の風景や人々の生活などを撮影したモノクロ写真に、絵の具で着色したもの。漆塗りなどの豪華な表紙をつけたアルバムにまとめて、外国人向けの土産物として販売されていた。写真の製作・販売・輸出の中心は横浜だったことから、「横浜写真」とも呼ばれている。

 同館が所蔵するアルバムの形態では展示が難しかったため、横浜に研究開発拠点を置く富士ゼロックスに相談したところ、社会貢献活動として複製写真の無償製作に応じたため、今回の展示が実現した。

 最新技術と複合機で原本の色合いを忠実に再現。山手から眺めた富士山や野毛山周辺の桜、こいのぼりや人力車など、日本らしい風景写真31点が並ぶ。彩色写真アルバム3点とモノクロ写真アルバム1点も展示している。

 同館では「海外に日本のイメージを発信するため、明治期には既に写真が使われていたことを知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 入場無料。問い合わせは同館電話045(262)7336。

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