家庭に1台AEDいかが 大和市が購入費の3分の1助成 高齢者など想定

大和市役所のロビーに設置されているAED

 神奈川県大和市は、市民が家庭用に自動体外式除細動器(AED)を購入する際に助成する方針を決めた。2020年度当初予算案に事業費250万円を計上。全国でも珍しい取り組みという。

 心臓疾患を抱える市民や高齢者を対象に想定し、同居する家族がAEDの操作方法などを学ぶ救命講習を受けていることが条件。5万円を上限に、購入費の3分の1を補助する。4月1日から受け付け、20年度は50件の助成を見込む。

 市健康づくり推進課によると、心肺機能停止状態で救急搬送した患者の7割近くが在宅中に発症しているとの総務省消防庁の調査結果を踏まえて検討。自宅へのAED設置が救命率向上に有効と判断した。

 市内には民間施設も含めて445カ所にAEDが設置されている。市消防本部は毎月第1土曜日を「AEDの日」に設定して出前講習を開くなど、利用普及に力を入れている。

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