SBK:MIEレーシングの高橋巧「世界選手権を目標にしていた。不安もあるが楽しみ」

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 2月21日、ホンダはウエルカムプラザ青山で2020年のスーパーバイク世界選手権(SBK)を戦う2チームのローンチイベントを開催した。そこでサテライトチームとして参戦するMIEレーシング・アルティア・ホンダ・チームからは高橋巧とジョルディ・トーレスが参戦することが明らかとなった。発表会後に行われた取材の場ではチーム代表の森脇緑氏とライダーの高橋巧が出席し、チームの現状と2020年シーズンに向けて意気込みを語った。

 はじめに森脇代表は、MIEレーシング・アルティア・ホンダ・チームについて、2019年に清成龍一とレオン・キャミアが所属したモリワキ・アルティア・ホンダ・レーシングを引き継いだチームだと話した。MIEレーシングは森脇代表がヨーロッパで立ち上げた会社であり、チェコのプラハを拠点としているという。

「2019年の冬に(プラハに)ワークショップができました。現在、新型CBR1000RR-Rをそこで開発しています。もちろんホンダやHRCに多大なサポートをして頂いていますが、自分たちのオリジナルレース部品を装備して参戦します」

「チーム結成2年目です。チーム名の『MIE』ですが、Mは緑、Iはインターナショナル、Eはエンジニアリングで、Midori International Engineeringの略称です。ビジネスパートナーとともにに立ち上げた会社で、私が代表を務めています」

 なおモリワキエンジニアリングとは別会社であるというが、「モリワキで育ってきているので、そのスピリットをヨーロッパの仲間に引き継いでいます」とのことだ。

森脇緑代表、高橋巧(MIEレーシング・アルティア・ホンダ・チーム)

 ライダーの高橋については「高橋選手のもっているスキルは非常に大きいし、HRCのファクトリーライダーでありながら、MIEレーシングに起用させていただいたことは本当に大きなことです」と語ったが、取材した2月21日時点では高橋はまだ新型マシンを走らせていなかった。

 森脇代表は「彼はこの状況のなかで一緒に頑張りましょうと言ってくれますが、不安でしかないと思います」とチーム状況を明かした。

「まだCBR1000RR-Rを走らせていないので、データがありません。まずは、バイクの強みと何ができるかを見極めるために走らせないといけません。そのために巧選手が走ってくれることが、なによりも大きいことです。最初の2戦は、ひとりのライダーで集中してデータをとることに決断しました」

「そのなかで気持ちを前に向けて、自分がチームを引っ張っていき、一致団結していきたいです。HRCがファクトリー体制で参戦するのに対して、私たちにとっては、新型CBR1000RR-Rをどう開発していくかが挑戦です」

「どんなに困難な状況であってもたくさんの関係者が支えてくれていて、ひとりで戦っているわけではないことを忘れてはいけません。ライダーに良いチームと良いマシンを届ける姿勢を持ち続けることが大切だと思っています」

高橋巧(MIEレーシング・アルティア・ホンダ・チーム)

 一方、高橋は「レースを始めてからMotoGPやSBKという世界選手権で走ることを目標にしていたので、やっとチャンスが巡ってきました。(ホンダに)ずっと要望していたのでSBKフル参戦は嬉しいです」と喜びを表した。

 しかし、高橋は2019年11月にスペインのアラゴンとヘレスで行われたウインターテストと、今年1月末にヘレスとポルトガルで開催されたテストに参加していない。プライベートテストでも新型CBR1000RR-Rを走らせていない状況だが、SBKフル参戦について目標を語った。

「SBKにスポット参戦はしましたが、正直未知の世界です。フル参戦は楽しみですが、不安もあります。全日本ロード最終戦後のシーズンオフに、昨年のマシンですが、スペインでテストをしました。ですが、まだ新型マシンに乗っていないので、不安しかありません」

「コースも知らないし、マシンの状態もわかっていません。2月24~25日にフィリップアイランドでテストがあります。そこでコースを覚えてマシンにも慣れる時間があるのはありがたいことです。開幕戦のレースまでにしっかり(セッティングを)合わせたいです」

「どのようなシーズンになるのかまったくわかりません。基準がまったくないので、まずはフィリップアイランドで走り、開幕戦である程度基準を作って、そこからひとつでも上の順位を狙います」