「内閣は支持しない」「自民党は支持する」が同時に増えた?!一体なぜ? 2020年2月電話・ネットの意識調査 結果解説

選挙ドットコムでは、2月15日(土)・16日(日)に日本国内の18歳以上の方を対象としたハイブリッド方式(電話調査とインターネット調査を同じ設問で同時に行う方式)による全国意識調査を実施しました。電話調査(JX通信社と共同実施)では1,014件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)では1,000件の有効回答を得ました。

「選挙ドットコムちゃんねる」でも今回の調査について解説をしています。
今回はゲストとしてJX通信社の米重さんに来ていただきました!
ぜひ、チャンネル登録お願いします!

ネット調査と電話調査の回答者に占める年代別割合について

調査の回答者の年代別の割合は上記のグラフの通りです。ネット調査では、40代以下での回答者が全体の約7割を占めており、比較的若い年代層の意識を抽出しています。また、電話調査では、回答者の7割以上を50歳以上で占めており、比較的高い年齢層の意識を抽出しています。

参考として昨年の7月に行われた第25回参議院議員通常選挙の投票者に占める年代別の割合も掲載しました。50代以上の投票者が7割近くを占めており、現段階では電話調査の方が投票者に近いサンプリングとなっています。

しかし、電話調査だけでは40代以下のサンプルをなかなか獲得することができません。選挙ドットコムのハイブリッド調査ではネット調査も同時に行うことにより、電話調査だけでは見えてこない若い世代の意識も抽出するように心がけています。

自民党の支持率がUP!? N国は地盤沈下!?

ハイブリッド意識調査(電話×ネット)による政党支持率(令和2年2月)

普段支持している政党について質問をしたところ、上記の表の通りの結果となりました。電話調査・ネット調査ともに「支持政党がない」という回答の次に「自民党」支持層が多いという結果となりました。

2月のハイブリッド調査において特徴的なことは、自民党の支持率が上昇したことです。自民党は「桜を見る会」「IR収賄疑惑」などの影響を受けて先月は支持率を下げていましたが、今月の調査では支持率が3ポイント上昇しました。しかし、選挙ドットコムちゃんねるにゲスト出演したJX通信社の米重氏は「調査では3ポイント程度の誤差が生じるので、3ポイント上昇はその誤差の範囲内。今回は支持率が上昇したというよりは、ほぼ横ばいと言う捉え方が正しい」としています。

また、ほとんどの政党で電話調査よりもネット調査で支持率が低いという結果でしたが、日本維新の会とれいわ新選組では電話調査とネット調査との間に支持率の差はほとんどありませんでした。

そして、NHKから国民を守る党は以前からネット調査の方が電話調査より支持率が高くなっています。しかし、NHKから国民を守る党は、先月まではネット調査で3%以上の支持率を獲得していましたが、今月はじめて2%を下回りました。この結果については支持率の地盤沈下と捉える見解もありますが、先述の動画内で米重氏は「N国の支持率低下も3ポイントの誤差の範囲に入っていおり、地盤沈下とまでは言い切れないかもしれない」としています。

内閣支持率:「支持」は減少、「不支持」と「どちらとも言えない」が増加

ハイブリッド意識調査(電話・ネット)の前回(1月)・今回(2月)の比較

内閣支持率は「不支持」が「支持」を8.8ポイント上回りました。また、前回と比較をすると、「支持」が減少して「不支持」と「どちらとも言えない」が増加しました。そして、支持の中では「強く支持する」が減少し、不支持の中では「全く支持しない」の割合が増加しています。

年代別にクロス分析を行った結果、年代が上がるにつれて「どちらとも言えない」という回答が減少していることが分かりました。年代が上がるにつれて「内閣の支持・不支持」がはっきり分かれる傾向が見て取れます。60代と70代では不支持が50%を超えていることも特徴的です。

また、支持政党別でみると「支持する政党はない」と答えた層では、不支持が支持を30ポイント以上上回りました。自民党と公明党を支持する人の中では支持が不支持を大きく上回っていますが、不支持の回答は自民党支持層でも10%以上、公明党支持層では25%以上ありました。そして憲法改正などで自民党と政策が近い日本維新の会も含め、野党各党では支持が不支持を上回っています。

その他にも様々な調査結果が!

2月のハイブリッド調査では、このほかにも「政府のコロナウイルス対応について」、「政府の桜を見る会の対応について」などを調査しています。これらの調査結果は記事として後日リリースしますので、ぜひご覧ください。

今後も選挙ドットコムでは毎月定例で意識調査を実施し、みなさまにお伝えしていきます。また、選挙ドットコムのハイブリッド意識調査では、これまでではわからなかった全世代の声を集めることができます。ご興味がある方はぜひお問い合わせください。

調査概要:調査は令和2年2月15日(土)と16日(日)に実施。日本国内の18歳以上の方を調査対象とし、有効回答数は電話調査(JX通信社との共同実施)で1,014件、インターネット調査(Gunosyリサーチを使用)で1,000件を取得。電話調査は無作為に電話番号を発生させるRDD方式をオートコールで実施。ネット調査ではスマートフォンアプリのダウンロードユーザーを対象にしたアンケートツールにより実施。各党の支持率、内閣支持率は小数第2位以下を四捨五入。回答者年代別割合は小数第3位以下を四捨五入。

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