グリーン・デイ『ファザー・オブ・オール…』 ピュアなパンク・スピリット

グリーン・デイ『ファザー・オブ・オール…』

 カリフォルニア州バークレーにて結成。34年のキャリアを誇るパンク・バンド通算13枚目のスタジオ・アルバムです。94年にメジャー・デビュー、04年に発表した『アメリカン・イディオット』の曲が、第48回グラミー賞でパンク・バンドとして初めて最優秀レコード賞を受賞、パンク・ロックをメインストリームに押し上げ世界中にパンク・ムーブメントを巻き起こしました。

 彼らのサウンドの特徴は70年代のピュアなパンク・スピリットにメロディアスな要素を加えたポップ・パンク、そのサウンドが世界で受け入れられ、通算7000万枚以上のアルバム・セールスと、100億回以上のストリーミング等の再生回数を誇るビッグバンドに成長したのです。今作で注目されるのは一曲が平均2分半、アルバムトータルで30分という70年代のラモーンズと同じスピード感。メロディアスでジャンルレスなサウンドにのせて鮮烈に社会を批判します。ロックファンにはたまらない一枚です。

(ワーナーミュージック・2300円+税)=北澤孝

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