原告3人の訴えを退けた最高裁判決を受け、長崎の支援者や原告弁護団らは25日、長崎市役所で会見し、不満をあらわにした。
「悔しいのひと言。なぜ被爆者の苦しみを分かってもらえないのか」。同市深堀町1丁目の被爆者、松谷英子さん(77)は会見で「被爆者には時間がない」と何度も繰り返した。
被爆により右半身まひの障害を負った松谷さんは2000年、最高裁判決で原爆症認定を勝ち取り、被爆者救済の扉を開いた。「私の裁判の後、少しは良い方向に向くだろうと思っていたが、だんだん厳しくなっているのが残念」と、か細い声で言葉を絞り出した。
まだ係争中の原爆症認定訴訟もある。長崎弁護団の事務局長、中村尚志弁護士は「要医療性が問題になる事例では今回の判決の影響が出てくる。今後、見通しは厳しくなる」と懸念した。
被爆者には時間がない 2000年の最高裁判決で原爆症認定・松谷英子さん(77)
- Published
- 2020/02/26 10:13 (JST)
- Updated
- 2020/02/26 10:27 (JST)
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