「もうANAホテルは使わない」自民党発言 ANAインターコンチネンタルホテルに電凸 あれ? 明らかに態度が変わっている やっぱり圧力があったのか

六本木にあるANAインターコンチネンタルホテル

平成26年の「桜を見る会」の前日に安倍晋三首相の後援会がANAインターコンチネンタルホテル東京(旧全日空ホテル)で主催した夕食会について、衆議院予算委員会で安倍首相の答弁が注目されました。

「個別の案件については営業の秘密にかかわるため、回答に含まれない」との安倍首相の答弁に関して、ANAホテルが否定した旨を朝日新聞、毎日新聞等が報じていました。「安倍首相の虚偽答弁」との報道で注目を集めていました。

そこで、ANAホテルに電凸を試みました。電凸史上、最も素晴らしい電話対応、電話取り次ぎの時間も最短記録達成かもしれません。

「ご取材の場合は、ご質問事項をメールで頂いて、文書で回答するように統一させていただいているのですが、ご協力頂けましたらありがたいんですけれども。はい、多数のお電話がかかってきているものですから」

と広報担当者の回答でした。

ホテルの姿勢に対し、自民党幹部が「もうANAホテルを使うのはやめよう」と発言した旨を朝日新聞が報道したり、「もうあそこは使わないという人が多い」という自民ベテラン議員の発言を毎日新聞が報じたり、雲行きが怪しくなってきました。

さらに、自民党の森山裕国対委員長が、報道陣に「ホテルのしかるべき方が『大変ご迷惑を掛けている』と党本部に来たと聞いた」と述べたことも報じられました。

案の定、記者が同ホテル広報担当者に送信した質問メールについて、期日に返信がありませんでした。

そこで催促の電話を入れたところ、メールに回答しきれていない状況説明と謝罪ののちに、下記のメールが届きました。

【お世話になっております。

先ほどはお電話をいただき、ありがとうございました。ご回答が遅れましたことお詫び申し上げます。

具体的なご質問をいただいている中恐縮ではございますが、以下のとおり、ホテルとしてのステートメントにてご回答申し上げます。

ANAインターコンチネンタルホテル東京では、日々ご利用いただく多くのお客様をお迎えしております。

当ホテルでは、お客様のプライバシーを尊重し、かつ各ご手配における守秘義務も遵守して営業を致しております。催事・宴会の受託と実施につきましても、法令を順守して、対応を致しております。

個別のお客様に関わる個人情報および取引の詳細については一切開示することはできません。何卒ご理解の程お願い致します。

日頃よりご利用いただいております皆様に感謝いたしますとともに、引き続きのご利用をお待ち申し上げております。

いただいているご質問に関しては、誠に勝手ながらご回答を差し控えさせていただきたく存じます。ご了承賜りますようお願い申し上げます】

事前に質問概要を電話口で伝えた上の質問メールに対して、上記の対応。自民党から何があったのでしょうか。自民党本部に電話したところ、広報担当者を2名を経て、担当の幹事長室に転送まで15分でした。

もし、ANAインターコンチネンタルホテル東京が自民党を敵に回してしまったら、自民党のパーティのみならず、自民党と仲良しの大企業のパーティ等、多くを失いかねません。「忖度」という言葉の呪縛から解放される日は来るのでしょうか。(文◎九頭龍腐流腐流)

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