「思考停止」からくる二次災害は、誰もが100%回避できる件。〜新型コロナウイルス渦中のアクションが決める未来〜

新型コロナウイルスが、一気に世の中を暗くしています。この感覚は、あの東日本大震災以来のような気もします。
あのときはまだ、SNSなどの進化が、社会をこれほど密に結んでいなかったので、今回の体験は、もしかしたら人類はじめての異質な経験かもしれません。あの時にも感じたんですが、まるで映画の中に迷い込んだような気すらします。

まだまだ感染はこれから広がる可能性もありそうですし、特に国内はここ1~2週間が大事だとのこと。
今日の午後には、政府から、強制はしないものの「国内のイベントの開催を2週間自粛すること」を要請するとのニュースも飛び込んできました。(参考:日経新聞「首相、今後2週間のイベント中止要請 新型コロナ拡大で」

もちろん、こうした方針に異論はなく、立場の違いを超えて、今はできるだけ感染拡大を抑えることに注力すべきだと考えます。
しかしこの状況下において最も心がけなければならないのは、「警戒」を超えた「萎縮」をいかに回避するかです。

「思考停止」が招く「二次災害」こそ全力で回避すべき

多くの被害者がいるなかで不謹慎かもしれませんが、やはり今回の件で今の所「不幸中の幸い」なのが、致死率が低いこと。これがSARSやMARSレベルだったら、またレベルの違う自体だったはず。そうでなく、8割以上の方が軽症ですむというのは、年配やご病気の方への警戒は必須であるものの、ある意味冷静に対処できる根拠となっています。
しかし、冒頭にも書いたとおり、人類がかつてなく緊密に繋がり、良くも悪くもその気持を共有できる社会において、その冷静さを保ち、今後の対応ができるかどうかが、今回の事態で最も「試されている」ことのように思います。

この雰囲気の中で、ともすれば気持ちが塞ぎ、なにか新しいことを始めることにすくみがちです。もちろん、だからといって無理に不自然に元気に振る舞う必要はないと思います。
今々の延期や中止は仕方ないかもしれません。でも、この状況は必ず「出口」を迎えます。その時に、一歩でも早く、そして力強く動ける準備は、しておくべきだと考えます。

出口が見えたときのスタートダッシュをイメージする

状況に出口が見えてきたら、当然、受けた被害や凹んだ状況を一丸となって早く回復させようという動きになります。その時に、個人も企業も、どんなアクションをどれほど早く打てるか。これは本当に大事なんじゃないかと思うのです。

なので、例えばせっかくテレワークなどで生まれた余裕のある時間は、その準備に使うべきです。読みたくて読めてなかった本を読んで、インプットを蓄えるにもいい機会かもしれません。実は、先程私が所属する組織では、Web会議も交えて社内マネジメント研修をしていました。内容にかかわらず、このタイミングでこういうことを実施する意味は大きいなと感じました。

逆に、テレビやネットを無為に眺めて、不安ばかりをグルグル巡らせていても、何のプラスにもなりません。対応に奔走する政府や医療関係などの方々以外の、一般人ができるウイルス対策は、それほど大きく変わらないはずです。それよりも、企業にせよ自治体にせよ、また個人の立場でも、来年度に計画していた様々なアクションがあるはずです。それを実行に向けて、より深く考え準備することまで「一体保留」にせず、粛々と考え準備し、できることは進める。これが、今私達が一番注力すべきことです。

今、私達は「知らず知らずのうちに恐怖に支配されて、思考停止に陥っていないか」を、常に自己診断すべきかなと。無為な「思考停止」は、「回復の遅さ」という「二次災害」を引き起こします。そして実はそちらのほうが大きいことも少なくないのです。このことは、私達の考え方次第で100%回避できるはずなのです。

できる準備はすべてやって、できることはむしろ進めて、来るべきそのタイミングにスタートダッシュし、この状況からの回復をいかに早めるかに思いを馳せたいものです。
そして、その日が、一日でも早く訪れることを願わずにいられません。

文:ネイティブ倉重

【著者】ネイティブ株式会社 代表取締役 倉重 宜弘(くらしげ よしひろ)
愛知県出身。早稲田大学 第一文学部 社会学専修 卒業。金融系シンクタンクを経て、2000年よりデジタルマーケティング専門ベンチャーに創業期から参画。大手企業のデジタルマーケティングや、ブランディング戦略、サイトやコンテンツの企画・プロデュースに数多く携わる。関連会社役員・事業部長を歴任し、2012年より地域の観光振興やブランディングを目的としたメディア開発などを多数経験。2016年3月にネイティブ株式会社を起業して独立。2018年7月創設の一般社団法人 全国道の駅支援機構の理事長を兼務。

おすすめのコラム記事はこちら


© ネイティブ株式会社