桜で?コロナで?安倍政権の支持率急降下!? 最新の意識調査 結果発表! 【選挙ドットコムちゃんねるダイジェスト】

今回のテーマは、月に一度の意識調査、最新版の発表です!

他の新聞やテレビなどのメディアが行う世論調査とは違い、電話調査にネット調査を加えたハイブリッドタイプの意識調査は、通常の調査では拾いにくい若い世代の声をすくい上げることができて、「よりリアルな国民の意識が見える」と各方面で話題になっています。

この最新意識調査結果を様々な角度から分析するのは、レギュラーのMC 乙武氏、アシスタントの千葉ちゃんと、実際に調査業務を行ったJX通信社代表の米重克洋さん。

番組内容をダイジェスでお伝えします。

「桜を見る会」問題が長引いても、自民党支持率は横ばい

乙武 「さあ始まりました、選挙ドットコムちゃんねる。今回のテーマはこちら。最新意識調査結果発表! 政党支持率は!?ということです」

千葉 「今回は毎月選挙ドットコムが行っている支持率意識調査を発表します。JX通信社ご協力のもと、最新ネット支持率もプラスした調査結果を発表していきます。

新聞社などの支持率調査では電話調査のみなのですが、選挙ドットコムではネット調査も同時に実施していて、電話調査だけでは読み取れないよりリアルな結果を見ることができます。それではさっそく結果を発表していきましょう」

乙武 「おっ、自民党が伸ばしてますね?」

米重 「ちょっとだけ数字が上がっていますね。前月で言うと29.7%だったものが32.1%。ちょっとポイントが上がっていますが、誤差がまあ3%くらいはあるとみていますから、その範囲内ということで、実際はほぼ横ばいと言っていいのかな、と思います。

立憲民主党も12.8%と前回から若干(1.6%)上がっているんですけども、こちらもそういう意味では同じように横ばいと……」

乙武 「なるほど3%くらいの数字の上下は誤差の範囲内になるわけね」

米重 「それ以外で言うと、これまでネット調査の部分だけで言えば今まで野党第一党のような勢いで3%を超える支持があったN国ですが、今回1.9%。この1.5 %の差をどう見るかということですが、こちらは単なる誤差という感じではなくて、N国に 以前のような勢いが感じられなくなってきた表れの数字かな、という印象がありますね」

千葉 「前回、1か月前の調査と比較したものがこちらです」

米重 「全体としてみると、政党間で大きく支持・不支持が動いたという感じの数字ではなくて、基本的には誤差の範囲内で数字が動いているということに尽きるかなと思います」

乙武 「なるほど、そんなに大きな変動はないと。でもその中でなんとなくの傾向としては、N国がちょっと地盤沈下しつつあり、維新がネット調査でけっこう伸びているのかなという印象はありますけど」

米重 「維新はもともとどこの調査でも電話とネットであまり数字が変わらないですよね。そういう意味では全世代のあらゆる層から一定の支持があって、それが安定しているという印象。

また立憲民主党は電話調査では強めの数字が出て、ネットではかなり低めに出るという傾向が続いているんですが、その部分も今回変わらずです」

無風の政党支持率に対し、内閣支持率は大幅ダウン

千葉 「政党支持率に続いて、内閣支持率の方を見ていただきましょう」

米重 「今回の安倍政権支持率は、電話調査で41.2%、これに対して不支持が49.1%。
不支持が支持を大きく上回りましたね。

前回調査では、支持するとの回答が43.9%なので、支持率で言うと若干下がった程度なんですが、不支持率は43.1%だったものが49.1%になったわけですから、不支持が大きく上がったと言ってもいいと思います。

これは他のメディアが行った今週末の調査でも同じような傾向で、共同通信の調査では政権支持率が8ポイント下がり、テレビ朝日でも5ポイントくらい下がっていて、同じような傾向がみられます」

乙武 「これはやっぱりコロナウイルスへの対応が影響した部分が大きいんですかね?」

米重 「大きいと思います。やはり安倍政権くらいの長期政権になってきますと、今回のコロナのような社会の不安がそのまま政権の支持率に直結してくるということは言えますね」

乙武 「ネット調査ではあいかわらず『どちらともいえない』という態度を決めかねる回答が、割合として多いですね」

米重 「そうですね。支持・不支持のどちらにしても、やはり(グラフでは)色の薄い消極的意見が多いというか、確固たる意思表明ではなくて『どちらかと言えば~』みたいなニュアンスが多い印象ですね。

まあその分、ネット調査で回答の多い若い世代はやはり、政治にあまり関心がないということも言えるのかな、と思います」

乙武 「よくネット上だと『ネトウヨ』なんていう言葉が使われてますけど、この調査で見ると安倍政権を『強く支持する』っていうネットの回答は5.1%しかいないんですね」

米重 「そうですね。電話でも14.3%しかいない。かなり限定的な存在であると。大体の人はほぼ中間寄りで、あまり極端な支持・不支持層は少ないといえると思います」

7割が「桜を見る会の説明が不十分」と不満を表明

千葉 「今、コロナの問題などで支持率が低下しているというお話がありましたが、今回選挙ドットコムとJX通信社で、桜を見る会の政府の説明責任についてと、コロナウイルスの今後の対応について、国民の皆さんがどう思っているかという調査も行いました。

まずは桜を見る会の政府の説明責任についてです。『安倍総理や政府は桜を見る会問題について、十分に説明をしていると思いますか?』という質問に対しての回答がこちら」

乙武 「これ、びっくりするほど電話調査とネット調査で差がないですね」

米重 「そうですね、基本的には『十分な説明がされている』と思っている人は電話でもネットでもかなり少ないと。電話でも2割いってないですし、ネットに至ってはまあ1割くらいしかいない。

桜を見る会の問題については、おそらく自民党支持層や政権を支持する層の中にも『十分な説明がなされていない』という不満がかなり大きいと言っていいと思います」

 

乙武 「この調査の後、さらにホテルが『そんなこと言ってない』みたいな首相答弁を否定するようなコメントを出したから『ちゃんと説明してよ!』と思う方は、さらに増えてくるでしょうね」

*編集部注:安倍晋三後援会事務所が「ホテル側から明細書を受け取っていない」としていた桜を見る会の前夜祭で、過去に利用したANAインターコンチネンタル東京は「請求書、明細書を主催者側に発行しないケースはなく、見積書や請求明細書を発行する」と、発表した。

米重 「やはり国会での総理大臣の答弁というのは、非常に大事な仕事のひとつ。あの答弁ひとつによって政策が大きく変わってくることもありますので、そういった意味では答弁で、もしかしたら総理が事実と違うことを話しているかもしれないというのは、国民も重要な問題だととらえているということだと思います。野党側もそれは感じていて、審議が止まったりしていますしね」

政府に最優先してほしいコロナへの対応は「感染後の医療体制の構築」

千葉 「次はコロナウイルスの対応を見ていきましょうか。『日本政府として最も優先すべき対策は何だと思いますか?』という質問に対する回答結果がこちらです。

感染後の医療体制の構築、簡単に検査できるキットの開発支援などなどが挙がっていますが」

米重 「これはオレンジ色が電話調査のデータですね。感染後の医療体制の構築というのがトップに来ていて、海外からの流入を水際で防ぐというのが3番目にきているのは、けっこう特徴的かなと思います。

要するに、もう日本に入ってくるのを水際で防ぐというという対応は、国民側もある程度諦めてかかっていて、もし感染したらどうするか、国内で流行したらどうするのかということに関心が移ってきている、こうしたことを示しているデータなのかもしれません」

乙武 「専門家のお話なんかを聞いていても、水際で防ぐことを最重要視する段階っていうのはもう過ぎちゃったのかなあという気はします。

その点で、政府の対応はまだ『防ぐ』ところに重点が置かれているような気がして、意識としては国民のほうがもっと先を見据えてる感じ」

米重 「やはり水際で防ぐというのは、国内で本格的に流行するまでに、たとえば病院がちゃんと対応できるとかいう体制を整えるための時間を稼ぐという意義があるとは思うんですけどね。

今回はもうすでに日本国内で、クルーズ船以外でも50人以上の感染者が出ているという状況なので、今後、普通に国内どこにいても感染してもおかしくない状況に対して、どう対応していくのかというところに国民は注目しているという結果なのかなと」

乙武 「そうですね。ただ難しいだろうなと思うのは、感染後の医療体制の構築が一番重要だと考える人が多いんだけども、いきなり病院の数やお医者さんの数を急増するのは現実的には難しいことですよね。

だからどのあたりの症状になったら受診をしてもらうとか、このくらいなら自宅で療養してもらうとかの線引きが非常に重要になってくると思うんです。そういう意味では、4番目に上がっている『国民への情報発信』というところを、政府がどのようにやってくかっていうのが、かなり私は重要なんじゃないかという気がします」

米重 「そうですね。やっぱり『正しく怖がる』ってことが大事だと思いますね。この情報発信というところで言うと、風邪的な症状程度の軽症で済む人もたくさんいるようですから、そのあたりを広く知らせる。

そのうえでほかの病気で病院にかからなくちゃいけない人や、症状が非常に重い人がちゃんと病院で診察を受けられる体制を取れるような情報発信というのを心がけていただきたいと思いますね」

千葉 「今、コロナと桜の会の話が出ましたが、このタイミングで2つの大きな問題を抱えているということで、政府はけっこう追い込まれている状況なんでしょうか?」

米重 「まぁ、桜を見る会の件に関しては、いきなり大打撃があるというよりは、比較的じわじわと追及されるたびに悪い答弁が出てきて、それによってじわじわ支持率も下がるというタイプの影響なんじゃないかなと思うんです。

今回、報道各社の調査でわりとストーンと数字が落ちている原因としては、やはりコロナ問題が一番大きく影響しているんじゃないかと、個人的には見ています」

乙武 「そういう意味で言うと、日本人ってわりと不正に対して寛容なんですかね?」

米重 「うーん不正に寛容というよりは、まぁ慣れちゃったというところ?」(爆笑)

乙武 「慣れちゃったか。次々政治家の不正が出てくるからねえ」

米重 「国会中継でも不正疑惑に対する変な答弁とか、それを揶揄されたり言い返したりとか、そういう場面を目にすることって多いですから。

与野党でやりあって泥仕合みたいになっているのを見ると、なんかどっちがいいのか悪いのか、またやってるよ、みたいな印象になってしまって、よっぽど政治に関心がある人でないと明確な意見を持ちにくいというところじゃないでしょうか」

乙武 「自分には実害ないし、ってところですよね。一方で今後、コロナの対策をどのように政府がやっていくかっていうのは、けっこう内閣支持率に影響してくるものですか?」

米重 「そうですね、今すでにこれだけ影響しているわけですから、今後も大きく響いてくることが考えられますし、またそれが選挙の時期にも関わってくると思います。

実際、衆院選はこの春に解散を打つかもという予想もありましたが、今のこうした支持率の動きを見ると、とても解散を打てる環境ではなくなったというのが、もっぱらの声ですね。私も春に選挙の選の目はなくなったんじゃないかというふうに見ています」

乙武 「なるほどね。僕が1つ気になっているのが、政府の対応に今回、不備があったとして、野党がかなり批判しているじゃないですか。僕も今後のためにも、不備に対する批判・検証は当然すべきだと思うんです。

でも、その批判のタイミングがね、いつがベストなのかって考えたときに、もうちょっと感染の拡大が抑えられて事態が一段落したところで、改めて検証することでもいいんじゃなのか、って考え方もあれば、

ネットなんかでは『すぐに重要書類を破棄してしまうような政権なんだから、あとでしっかりした検証なんかできるはずがない(今、批判してしっかり正すべき)』っていう声もあったりして、このあたりが難しいですよね」

米重 「そうですね。ただ 3.11 のとき、民主党政権に対して自民党が最初からフルスイングで災害対応を批判していたかというと、そういう感じではなかったと記憶はしています。

なので、ここは急場をしのいでから、追及するならする、検証するならするということでいいんじゃないかというふうに私的には思いますね。

現状、コロナウイルスに対して何が正しくて、何が間違っているのかってところもまだよくわかっていないじゃないですか。

中国からの情報も決して多いとは言えませんし。そういう状況では、まずは感染拡大を最小限に防ぐ対策を与野党協力して行うべきではと。批判や検証は、そこを乗り越えてからの話じゃないの、と」

乙武 「あ、あとひとつ。これだけ感染が拡大してきた中で、一般社会の企業などではテレワークを推進しようとか自宅で仕事をできるようにしようという風になってきているじゃないですか。これが政府にも広まっていかないかなと、私はちょっと期待しているんですけど」

米重 「参議院議員の音喜多さんが、ご自身の事務所は基本的にテレワークを行いますと公表されていましたけれども、他の議員さんや政党でも不要不急の打ち合わせや面会などを、この機会にネットやwebに切り替えていくというのは、どんどんやっていくべきだとは思いますね」

*編集部注:日本維新の会・あたらしい党代表の参議院議員である音喜多俊氏は2月17日『音喜多事務所では、テレワークの導入を決定しました。(中略)スタッフは可能な限り在宅勤務を試みます』と発表。

乙武 「そう思うよね」

米重 「ただね、永田町というか政界って、いまだにファックスをバンバン使っているような業界ではありますので、ファックス使っている人に『明日からSkypeとかzoomを使え』っていっても、それもどうなのかなって感じはします」

乙武 「まぁでもこういう機会でもなければ、ずーっと導入しそうにないじゃん」

米重 「そうですね、なにか起こらないと、このままずーっとファックスでやり取りしている可能性はある!」

乙武 「これを契機にしていただけたらなあって、個人的には期待しています。
今回はこのへんまでにしておきましょうか。

チャンネル登録と高評価、よろしくおねがいしますね!」

米重千葉 「よろしくお願いします!」

 

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