がん患者3275人の個人情報漏えい 誤送信の助教停職、横浜市大

横浜市立大付属病院(金沢区)

 横浜市立大付属病院(同市金沢区)の泌尿器科の医師で40代の男性助教が昨年7月、メールを誤送信して膀ぼう胱こうがんの患者3275人の個人情報を漏えいした問題で、同大は26日、男性助教を停職14日の懲戒処分にした、と発表した。

 また、いずれも同科で、研究責任者の50代の男性准教授を減給、管理監督者の60代の男性教授を文書訓戒の懲戒処分にした。

 第三者を含む調査委員会が事実関係を確認したため、処分を決定した。同大人事部の吉川雅和部長は「事態を重く受け止め、教職員を対象に個人情報管理に関する指導などを通し、全学を挙げて再発防止に取り組む」とするコメントを出した。

 漏えいしたのは、2010年から14年までの間、同病院を含む県内20の病院で手術を受けた患者の実名、生年月日、術後の治療、再発の有無などの情報。男性助教は電子メールでのやりとりが禁止されていたにもかかわらず、各病院の医師らに一斉送信した上、アドレスを誤り、使用者不明の二つのアドレスに送った。

 情報は膀胱がんの新たな治療法のための臨床研究に利用されていたが、漏えいを受け、同病院は現在も研究を中止している。

© 株式会社神奈川新聞社