「教養としてのマンガ」など3点 熊日出版文化賞決まる

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熊日出版文化賞の候補作について意見を交わす選考委員たち=26日午後、熊本市中央区の熊日俱楽部(上杉勇太)

 第41回熊日出版文化賞の本選考会が26日、熊本市中央区上通町の熊日倶楽部[くらぶ]であり、3点を決めた。自費出版物が対象のマイブック賞は「該当作なし」だった。

 出版文化賞の「教養としてのマンガ」は、NPO法人・熊本マンガミュージアムプロジェクトの橋本博代表(71)=同市=の初の著書。自身の人生を振り返りながら、地域活性化にもつながる漫画文化の可能性を伝える。「熊本における漫画文化の広がりや歴史がよく分かる」「漫画の活用法を再認識させる」と評価された。

 「橙[だいだい]書店にて」は、熊本市中央区で書店を営む田尻久子さん(50)=同市=が、カフェを併設した店の日常や、そこに集う人々の物語をつづった自身3作目のエッセー集。「文章力の高さは天性のもの。自然体でこびない文章は豊かでどこまでも優しい」「中央にはない熊本の文化を反映している」とたたえられた。

 「くまもと美と祈りの絵馬行脚」は元県立美術館ボランティアの辻春美さん(87)=同市=が、県内の神社に奉納されている絵馬を約20年にわたり調べ、画題や時代ごとにまとめた。「他に例を見ないボリュームで、バイタリティーがある。行政ができなかった絵馬の調査を、自分なりのスタイルでやり遂げた」と支持された。

 熊日出版文化賞は、県内の個人・団体の優れた著作を毎年顕彰。今回は2019年に刊行された約100点を対象に、4日の熊日社内選考で候補作15点を選んだ。(魚住有佳、飛松佐和子)

 本選考の委員は次の通り(敬称略)。

 幸田亮一(熊本学園大学長)高濱州賀子(美術史家)富田紘一(熊本城顕彰会理事)松木良介(グラフィックデザイナー)岡本智伸(東海大農学部教授)木下優子(県立図書館参事)荒木正博(熊日編集局長)