県職採用に総合能力試験 20年度から

 県は26日、2020年度の一般行政職(大卒程度)採用試験から、民間企業で広く利用されている総合能力試験「SPI3」を課す「一般行政特別枠」を新設すると発表した。公務員試験に特化した対策を不要にすることで、民間志望者の受験を促すのが狙い。定員は27日に発表する。
 県人事委員会によると、一般行政職の採用試験は時事問題などの「教養」と、法律などの知識を問う「専門」があり、公務員試験に特化した対策が必要。SPI3は「基礎能力検査」と「性格検査」の二つを行い、個人能力の正確性や迅速性を測定する。19年度は県が把握しているだけで15府県で使われた。
 一般行政職(大卒程度)の試験はこれまで通り6月に行うが、特別枠は民間の採用活動の早期化を踏まえ4月に実施。一般行政職の社会人採用でも教養と専門に替わってSPI3を導入し、日程を6月から4月に変更する。このほか土木技師などの「技術職(大卒程度)」は、教養試験の出題分野を減らし受験しやすいようにする。
 特別枠を含む一般行政職(大卒程度)、技術職(同)共に20年度から宮崎市、東京都に加えて福岡市でも試験会場を設ける。
 19年度の一般行政職と技術職(同)の受験者は379人で、10年度の837人から半減。同委員会は「県職員の仕事の魅力もPRし、受験者確保につなげたい」としている。

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