新築、納期順守に奔走 北陸の住宅メーカー

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 北陸の住宅メーカーで、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により住設機器の納品が滞り、新築住宅の引き渡しが遅れる可能性が出てきた。大手住設メーカーのTOTO(北九州市)などはトイレ、システムキッチンで中国の協力企業から部品が調達できず生産が遅延している。製品を発注していた地元住宅業者は「代替品の提案など何とか手を尽くして間に合わせたい」として対応を急ぐ。

 ニューハウス工業(金沢市)には26日までに、TOTO、パナソニックから今後の住設機器の納期が見通せなくなったと通知があった。村上哲也社長は、3、4月に引き渡し予定の住宅用は確保してあるとした上で「5月以降の分がこのまま入手できないと、代わりにより高価格帯の製品を顧客に提案して納得してもらうことになる」と述べた。

 村上氏によると、2011年の東日本大震災発生時にも断熱材の調達ができなくなり、別商品に切り替えたという。「負担は自社持ちになったが、お客さまを第一に考えたらそうするしかない。冷静に対応を進める」と強調した。

 住設機器メーカーでは、新型肺炎で中国の部品工場が操業を休止し、部品の供給・調達網(サプライチェーン)に響くケースが出ている。トイレや化粧台などの機器を仕入れている住宅メーカーにとっても影響が懸念される。

 「今年は暖冬で雪が少なく、建設工事は順調に進んでいた。思わぬ落とし穴だ」。こう指摘するのは北陸ミサワホーム(金沢市)の林諭髙社長だ。

 現時点で遅れはみられないものの、元々、3月は新築の引き渡しがピークを迎える時期でもあり、今後の影響を危惧する。納期がずれ込んだ場合は別製品の提案のほか、一時的に代わりの機器を据え付けて納品を待つなどの対応を検討している。

 オダケホーム(射水市)も、3月分までの住宅設備は発注済みだが、予定通り納品されるかどうかメーカーに確認を進める。担当者は、住宅施工は順調だったとし「現状は正直どうなるか分からない。影響が出ないことを願っている」と複雑な思いを語った。

 別の住宅会社から新築住宅を購入した高岡市内の30代男性は、当初5月の引き渡し予定だったが遅れる可能性があると連絡を受けたという。「家は一生に一度の買い物。入居後の新生活の準備もあるので、何とか間に合わせてほしい」と漏らした。