【ビアライゼ】ドイツ- レーゲンスブルクを基点としてビールを楽しむ

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ビアライゼ、それは美味しいビールを求めて、日本や世界各地をめぐる旅。筆者はビールを求め、ドイツやベルギーなど欧州をよく旅しています。2019年末から2020年1月にかけてドイツとチェコを旅した際、滞在した都市の1つであるバイエルン州レーゲンスブルク。ドイツ南東部をビアライゼする際、基点としておススメの都市ですので、ご紹介いたします。

ビアライゼとして見た、レーゲンスブルクの魅力

旅を計画するとき、旅の目的とそのために訪れる場所を考え、旅の期間や予算に応じて計画を立てる方が多いと思います。ビアライゼ(ビールの旅)では、その国や地域のビールを味わうこと、ブルワリーを訪れビールを味わいながら醸造家などと会話することが、目的となるでしょう。筆者の友人に”ビアライゼの達人”がおり、ドイツへのビアライゼ前にレーゲンスブルクを基点にした旅を勧められました。その情報をもとに、計画~実践したのが今回のビアライゼです。

レーゲンスブルクを基点とするメリット

レーゲンスブルクとその近くの都市には、ビール好きにとって魅力的な都市が多数あります。日帰りで鉄道アクセスできるため、重い荷物はレーゲンスブルクのホテルに置き、気軽に各都市でビールを味わえるのがメリット。ドイツのバイエルン州内であればBayern-Ticket(都市間の通常電車と市内交通が、時間限定で乗り放題)もしくはServus-Ticket(都市間の通常電車が、時間限定で乗り放題)を用いることで、安価に往復できます。また、隣国チェコへの移動へは、Bayern-Böhmen-Ticket(都市間の通常電車が、時間限定で乗り放題)が使用できます。ドイツ南部では小麦を使ったWeizen(ヴァイツェン)が有名ですが、ピルスナーはもちろん、Hell、Zwickel、Zoigl、Rauchなど様々スタイルのビールを味わえることもメリット。

ドイツ南部と周辺国の地図、黄色円はレーゲンスブルクから半径約150kmの範囲

レーゲンスブルクと近くの都市について

ドイツ Regensburg(レーゲンスブルク)

ドイツの南東部に位置するバイエルン州オーバープファルツ行政管区の区都。ドナウ川とレーゲン川の合流点近くに位置する水運の要衝であり、1世紀頃にローマ帝国の駐屯地カストロ・レギーナが置かれた歴史ある都市です。2006年には、ユネスコの世界遺産「レーゲンスブルクの旧市街とシュタットアムホーフ」として登録され、美しい歴史的な景観から、多くの旅行客を集める魅力的な街でもあります。

(左)レーゲンスブルク大聖堂、(右)レーゲンスブルクを流れるドナウ川

旧市街中心部にBrauerei KneitingerやRegensburger Weissbräuhaus、旧市街西にBrauerei Bischofshof、旧市街北部にSpitalbrauerei Regensburgなど多数のブルワリー。レーゲンスブルク近郊では、北西の街Laaber(バーバー)にBrauerei Plank(プランクの醸造所)、南西の街Kelheim(キールハイム)にSchneider Bräuhaus Kelheim(シュナイダーヴァイセの醸造所の1つ)があります。

(左)Regensburger Weissbräuhausのビール、(右)Schneider Bräuhaus Kelheimのビール

ドイツ München(ミュンヘン)

ドイツ南東部に位置するバイエルン州の州都。ドイツ第三の都市であり、空港、鉄道、道路と交通の要衝です。1158年創建という記録がある歴史ある都市。旧市街中心部のマリエン広場付近には、ミュンヘン旧市庁舎など観光名所が多数あります。ビール好きにとっては、オクトーバーフェストを開催する都市という印象でしょう。オクトーバーフェストの6大醸造所(Spatenbräu、Augustiner、Paulaner、Hacker-Pschorr、Löwenbräu、Hofbräu)が有名であり、これらのビールは直営店や様々な店で時期を問わず楽しむことが可能。

(左)ミュンヘン旧市庁舎、(右)ホフブロイハウス店内

ミュンヘンの南西には、1455年からビール醸造を行っているKloster Andechs(アンデクス修道院)、南には湖畔のリゾート地にあるBräustüberl Tegernsee(テーガーンゼー醸造所)など、近郊にも多数のブルワリーがあり、ビールを楽しめます。また、ミュンヘンから鉄道で、オーストリアのザルツブルク方面やスイスのインスブルック方面へ移動が可能です。

(左)Kloster Andechsのビール、(右)Bräustüberl Tegernseeのビール

ドイツ Nürnberg (ニュルンベルク)

ドイツの南東部に位置するバイエルン州ミッテルフランケン行政管区の都市。フランケン地方の経済的・文化的中心を担い、鉄道や道路など交通の要衝です。ドイツ統一を主導したホーエンツォレルン家がニュルンベルク城伯を世襲したところであり、旧市街北部には立派なニュルンベルク城があります。ドイツのクリスマスマーケット(クリストキンドルマルクト)が開催される都市として、特に有名です。第二次世界大戦後にドイツの裁判を行った「ニュルンベルク裁判」の行われた場所でもあり、市街地の西には歴史資料館として公開。旧市街北部には老舗ブルワリーの Tucher(トゥーハー)、旧市街内にはBarfüßerやHausbrauerei Altstadthofなど小規模なブルワリーがあります。ニュルンベルクから鉄道で、バンベルクやヴォルツブルク方面へ移動が可能です。

(左)Barfüßerのビール、(右)Hausbrauerei Altstadthofのビール

ドイツ Bamberg (バンベルク)

ドイツの南東部に位置するバイエルン州オーバーフランケン行政管区の都市。第二次世界大戦での被害もあまり受けず、昔の街並みが多く残っています。ブルワリーが多くある街でもあり、かつては50軒以上のブルワリーがありました。現在は、多くが閉鎖されてしまい、現在は十数軒ほどになりました。一方で、ここ近年で開業するブルワリーもあり、かつてはブルワリーだった場所を博物館やレストランとして活用されている場所もあります。 日本に輸入されているラオホスタイルで有名なAecht Schlenkerla Rauchbier(シュレンケルラ・ラオホビア)のブルワリーがあります。他にも歴史あるブルワリーが多数あり、ビール好きにとっては見所の多い都市です。

多数のブルワリーのビールが楽しめるバンベルク

ドイツ Passau(パッサウ)

ドナウ川とイン川の2つの河川が合流する国境の街。ドナウ川はウルムやレーゲンスブルクを流れ、ウィーンなど様々な国を流れる国際河川です。イン川はドイツとオーストリアの国境河川。パッサウ市街地のすぐそばにオーストリアとの国境があり、イン川を渡って数Kmでオーストリア国内に入ります。この街には、LÖWEN. BRAUHAUS. PASSAU(ミュンヘンのレーベンブロイとは別)、Hacklberger Bräustüberlのブルワリーがあります。また、パッサウから鉄道で、オーストリアのリンツ方面へ移動が可能です。

(左)Hacklberger Bräustüberlのビール、(右)LÖWEN. BRAUHAUS. PASSAUのビール

ドイツ Windischeschenbach(ヴィンディッシェッシェンバッハ)

ドイツ南東部バイエルン州のオーバープファルツ地方ノイシュタットアンデアヴァルトナアブ郡にある町。歴史は古く、950年にレーゲンスブルクの聖エメラム修道院の修道士によって僧院設立まで遡ります。Zoiglと呼ばれるビールはこの町を含め、限定した地域でしか味わうことが出来ません。Zoiglについては、「【ビアライゼ】ドイツ – オーバープファルツ地方のビール Zoigl(ツォイグル)」「【ビアライゼ】ドイツ – WindescheschenbachとNeuhausでZoigl(ツォイグル)を味わおう!」の記事参照。ドイツの小さな田舎町であり、観光客もほとんどいなく、地元の方々と気楽にビールを楽しめる印象です。それは、観光都市で味わうビールとは一味違う体験になるでしょう。

オーバープファルツ地方のビール、Zoigl

チェコ Plzeň(プルゼニ、ピルゼン)

チェコ西部、ボヘミア地方の都市。チェコ第四の都市です。ピルスナースタイルのビールの先祖、Pilsner Urquell(ピルスナーウルケル)を醸造する、Plzeňský Prazdroj(ピルゼンスキー・プラズドロイ)醸造所がある都市としても有名。プルゼニ駅を降り、駅の地下道を北に歩くと、すぐにPlzeňský Prazdroj醸造所の門が見えます。醸造所敷地内のレストランでは、様々な注ぎ方でフレッシュなPilsner Urquellを楽しむことが出来ます。醸造所見学ツアーも可能ですが、人気があり混んでいるので、インターネットで事前予約することを推奨。醸造所見学ツアーでは、樽から注がれた無濾過のPilsner Urquellを味わうことが出来ます。また、プルゼニから電車で、チェコのプラハ方面へ移動が可能です。なお、プルゼニから終電時刻は早めなので、気を付けてください。

(左)Plzeňský Prazdroj醸造所、(右)Pilsner Urquellのハラディンカ注ぎ

ビアライゼの計画に、レーゲンスブルクを入れよう

ドイツ南東部を旅する際、レーゲンスブルクを基点とした計画を立ててみてはいかがでしょうか。旅行期間が短いのであれば、レーゲンスブルクを宿泊地とし、鉄道を利用して近くの都市のビールを楽しむのが良いでしょう。

旅行期間に余裕があれば、複数の国や都市をめぐる中で、宿泊地の1つとして組み込むことが出来ます。例えば、下記です。

・ドイツの都市 → レーゲンスブルクに宿泊し近くの都市のビールを楽しむ → チェコのプルゼニ(ピルゼン) → チェコのプラハ方面

・ドイツの都市 → レーゲンスブルクに宿泊し近くの都市のビールを楽しむ → パッサウ → オーストリアのリンツやウィーン方面

・ドイツの都市 → レーゲンスブルクに宿泊し近くの都市のビールを楽しむ → ミュンヘン → オーストリアのザルツブルクやウィーン方面

・ドイツの都市 → レーゲンスブルクに宿泊し近くの都市のビールを楽しむ → ミュンヘン → スイスのインスブルック方面

ドイツから隣国への例ですが、ルートを逆にしても良いでしょう。レーゲンスブルクからバイエルン州以外の都市へ移動する際、フランクフルトまではICE(高速鉄道)を使うと約3時間半で着きます。しかし、ベルリンやハンブルクなどドイツ北部の都市へは、鉄道で6時間以上かかるので、空路移動を組み合わせることをおススメします。

この記事が、素敵なビールとの出逢いに役立てれば幸いです。