〈五島の椿プロジェクトを立ち上げた松下剛氏に狙いや今後の構想を聞いた〉
-プロジェクトの狙いは。
今まで9割が捨てられていたツバキの原料を商品化すれば、いままで五島になかった産業が生まれると構想を温めてきた。五島は18歳まで育ててもらい、命の恩人の島との思いが強い。五島がなかったら今の私はなかった。そしていつかは恩返ししたいと思って31年。今日、いろいろな人から力をもらい、そのスタートに立てた。継続的な産業と雇用を生み出す地域活性のモデルケースにしたい。
-五島の可能性はどこにあると思うか。
五島というと今までは青い海とおいしい魚。しかし地元の人が気付かなくても、外から見れば素晴らしいものは他にもたくさんある。その一つはツバキだと思うし、五島牛などももっとブランド化できるのではないかと感じる。単に原材料として出荷するのではなく、島で一つの商品、完成品に作り上げたい。そのために工場建設なども考えている。
-プロジェクトを成功させる秘策は。
産・官・学・民の連携がもちろん重要。だが実はもう一つ足りない。それは「芸」。今までの地方創生に抜けていた部分でもある。いくら良い商品でも知ってもらわないと意味はない。マーケティング力やクリエーティブ力、発表する力が大事。その意味で今回、吉永小百合さんという超一流の俳優に協力いただいたのは大変幸せだと思っている。