「いじめで自殺」認定も賠償額は大幅減 大津中2いじめ二審、生徒父「金額よりも因果関係認めたのは重い」

大阪高裁(大阪市北区)

 大津市で2011年に市立中2年の男子生徒=当時(13)=が自殺したのは元同級生によるいじめが原因として、遺族が元同級生らに計約3800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、大阪高裁で開かれた。高裁は、元同級生2人に計約3750万円の賠償を命じた一審判決を変更し、計約400万円に減額した。いじめと自殺の因果関係を認めつつ、家庭で男子生徒を精神的に支えられなかった面もあると指摘した。

 判決は、一審と同様に元同級生らによるいじめ行為を認定。自殺との因果関係を認め、いじめによって自殺に至る予見可能性もあったと認めた。一方、男子生徒の父親らに対して、家庭環境を整えられなかったなどとして、元同級生に対する損害賠償額を減額した。
 
 判決後に会見した父親は「大津地裁判決に続き、『いじめを許さない』という強いメッセージ。金額よりも因果関係や予見可能性を認めた点を重く見ている」と話した。
 
 昨年2月の一審大津地裁判決は「暴行などがエスカレートし、心理的負担に加え、孤立感、無価値感の形成に結び付いた」として自殺といじめの因果関係を認めた上で、悪質ないじめが自殺に結び付くことは一般的に予見可能であるとする異例の判断を下した。元同級生3人のうち2人に対し、ほぼ請求通りの約3750万円の支払いを命じ、元同級生2人は控訴した。控訴審は昨年8月に始まり、10月に第2回口頭弁論が開かれ、結審していた。

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