取り締まりの旗が接触、二輪車転倒死傷の過失認定 横浜地裁判決が県に賠償命令

©株式会社神奈川新聞社

横浜地裁

 神奈川県大和市の国道246号で2013年6月、大型オ-トバイに乗った夫婦2人が死傷した事故は、交通取り締まり中の大和署員が差し出した停止旗が当たったことが原因として、遺族が県に6100万円余りの損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、横浜地裁であった。関口剛弘裁判長は、署員の停止旗の差し出し方について「社会的相当性を逸脱した違法なもの」として過失を認定し、県に約2200万円の支払いを命じた。

 判決などによると、事故は同月5日午後に同市上草柳で発生した。交通取り締まり中の署員が速度違反を確認したオ-トバイに停止の合図を送ったが、すり抜けて通過。オ-トバイはそのまま走行を続けたが、その先で待機していた巡査部長の停止旗が運転していた男性=当時(40)=の頭部などに接触し、約140メートル先の中央分離帯に衝突した。男性が死亡し、同乗していた妻も負傷した。

 訴訟で県側は、事故原因は停止旗の接触ではなく男性の運転ミスと主張。接触に関しても、男性の常識に反する運転行為で想定外に生じたとして、過失を否定していた。

 関口裁判長は判決理由で、オ-トバイの速度が時速100キロ超だった点から「停止旗の接触で上体に相当な衝撃が加わったと考えられ、正常な運転ができなくなったと認めるのが合理的」とし、停止旗への接触と事故の因果関係を認めた。その上で、停止旗の差し出し方について「事故を防ぐため、当該車両の通過もやむを得ないものとして、中央分離帯との間に十分な距離を確保すべきだった」と述べ、巡査部長の過失を認めた。

 一方で、男性が制限速度の約2倍の速度で運転し、停止指示に従わずに無謀な運転をしたことも事故につながったとして、「6割の過失相殺が相当」と結論付けた。

 県警監察官室の寺澤陽公室長は「当方の主張が認められず残念だ。判決内容を検討し、今後の対応を決める方針」とコメントした。

 遺族側代理人弁護士は「警察の違法行為が認められ、断罪されたことは大いに評価できる」とした。