東洋大が卒業式中止 コロナ対策で 学長名で行動指針、課外活動も自粛要請

By 相澤一朗

 東洋大は27日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、3月23日に予定していた、各キャンパスでの卒業式と学位授与式を中止すると発表した。学位記などは今後別の手段で学生へ渡す。今春巣立とうとしている東洋大生は、卒業式を迎えずの卒業となる。

厚生労働省が25日示した、政府の基本方針

 大学は同日、感染拡大防止のための取り組みも公表した。政府が25日に示した基本方針を受けたもの。卒業式以外の大学主催の行事についても、原則として3月23日までは中止や延期を検討する。

 また、学生向けには学務情報システムを使い、学長名で行動指針を告知した。不要不急の課外活動等の中止や情報把握を求めたほか、感染者との濃厚接触が疑われる場合や体調不良時の対応法などをまとめた。

「袴をキャンセル」「リスク回避は正しい」学生の声

 式に出席する予定だった女子学生(社・社会4)はTOYO Pressの取材に「袴を半年前の9月にネット予約し、3月に到着予定だった。すでに料金を払っており、キャンセル料が心配」と話した。同じく出席予定だった男子学生(文・英米4)は「今回は仕方ない。感染のリスクの回避としては正しい」と大学の対応を評価した。

他大も中止の傾向

 27日は東洋大のほかにも、早大や明大など近隣の各大学が、卒業式や入学式の中止を判断した。例年は日本武道館で開催してきた卒業式だが、今年は夏の五輪・パラリンピックに向けた改修工事のため使用できず、各大学は1年以上前から会場の確保などに追われていた。両国国技館など学外の別会場で開催する大学が多い中、東洋大は各キャンパスで実施する方向で計画していた。


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