【一問一答】東京五輪代表選出 柔道・永瀬「リオの悔しさ晴らす」

 -リオ後の苦しかった経験を、どう生かして2度目の五輪に臨むか。
 けがをしたり、勝てない時期が続いたり、いろんな挫折を経験した。そんな4年前になかったものを乗り越えられたことが、今の自分の力になっている。この経験を生かして、東京五輪では自分の強い柔道を見せたい。

 -けがの後、代表争いはゼロからのスタートとなった。焦りはなかったか。
 まったくなかったと言えばうそになる。その間に藤原選手(日体大)や佐々木選手(ALSOK)ら、ライバルの活躍がモチベーションや刺激になった。彼らの存在があったからこそ、今の自分があるのは間違いない。加えて、可能性があるんだったら自分が東京五輪へ出場して、最後まで諦めずにやっていく決意はぶらさなかった。

 -内定発表直前のGSデュッセルドルフ大会は、初戦の2回戦負けという結果だったが。
 いろんな要因はあったと思うけれど、最後に延長戦を意識して隙ができた。それがすべてだったと思う。でも、負けて得られることは大きくて、次にどう生かすかで真価が問われる。だから、今回の負けを生かして本番で勝てばいい。そのために土台をまたつくり直して足元を固めてから、やるべき準備を重ねていきたい。

 -自らの柔道の強みをあらためて。
 しつこい、粘り強い柔道が持ち味だと思う。競れば競るほど、後半になればなるほど自分の強みは出てくる。

 -東京五輪をどんな大会にしたいか。
 自国開催の五輪を経験できることは、そうそうない。前回の悔しさを晴らす舞台でもある。ここまでいろんな方々に支えられて、まずは五輪内定までたどり着けた。しっかり恩返しできるように、自分の最高のパフォーマンスを発揮して優勝したい。

 -81キロ級で優勝するためのポイントは。
 強豪選手が多く、誰が勝ってもおかしくない階級。そういう選手たちを倒していかないといけないが、五輪は自分との闘いでもある。これからは、そちらの方が大事になってくると思う。

 【略歴】ながせ・たかのり 長大付小1年時に養心会で柔道を始めた。長大付中から長崎日大高に進み、個人81キロ級で春夏計2度の高校日本一に輝いた。筑波大2年でユニバーシアードを制し、4年の世界選手権で県勢初優勝。翌年の2016年に旭化成へ入社して、リオデジャネイロ五輪で銅メダルを手にした。181センチ。26歳。長崎市出身。

© 株式会社長崎新聞社