【MLB】大谷翔平の二刀流復活は5月中旬 エプラーGMも“苦悩”「今は自制する苦しみを…」

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

エプラーGMは大谷の投手復帰には慎重「我々は出来る限り健康なオオタニが必要なんだ」

 今季中の二刀流復活が期待されるエンゼルスの大谷翔平投手。昨季は右肘のトミー・ジョン手術を受けた影響で打者に専念。投手では昨年12月にリハビリを完了させ、23日にブルペン投球を再開。これまでにビリー・エプラーGMは5月中旬の投手復帰を目指すとしている。開幕からしばらくは二刀流復活を待ち望む日々が続くが、米スポーツ局「ESPN」は「エンゼルスがショウヘイ・オオタニを抑制していることは正しいことだ」と球団を評価している。

 チームは昨季地区4位と低迷。地区優勝した14年を最後にポストシーズンから長く遠ざかっている。ポストシーズン争いに加わるにはエース級のポテンシャルを誇る大谷の早期復帰が望まれるが、エプラーGMは慎重な方針を貫いている。エプラーGMは「我々がしたいことと、我々が実際に出来ることは異なっている」と語っている。やはり我慢の日々が続いているようだ。

 しかし、その一貫した方針は大谷獲得合戦となった17年オフから同じ。エンゼルスは大谷の入団交渉で「2つの痛み」として、大谷側へ伝えたという。1つ目はメジャーで二刀流選手としてプレーするために毎日を犠牲するための痛み、2つ目は目標を達成できなかった時の痛みだった。同局は「エプラーGMは球界に100年に1度の才能に対応する時に、この教えを実行している」と評価。エプラーGMも「まさに有言実行だ。今は自制する苦しみを味わわないといけない。そうしなければ、落胆した時の苦しみを味わうことになる。我々は、出来る限り健康なオオタニが必要なんだ」と熱っぽく語っている。

エプラー氏が大谷に惚れ込んだエピソードとは

 大谷の能力を高く評価するからこその我慢――。エプラーGMがさらに惚れ込むエピソードがあったという。毎年チームが行うコンディショニングのテストは選手間でも競争に。大谷は1年目に好成績を残せなかったが、2年目は全ての種目でチームのトップ10%入り。その後、エプラーGMは大谷が動画サイト「You Tube」で好成績が残せるように独自研究していたことを知ったという。何でも負けず嫌いな一面を垣間見たエプラーGMは驚いた様子で、こう語ったという。「彼は全てのテストで本当に良くなった。メディシンボール、ジャンプなど、全てでね。とても目立ってたよ」。

 3度の最優秀監督賞に選ばれた“知将”マドン新監督は「無理したところがなく、努力の必要がないアスリート。このような人間をいつも探しているんだ。このような才能があれば、どんどん上達していくから」と高く評価。アート・モレノ球団オーナーも「オオタニについてはとてもワクワクしているよ。彼は投げて、打って、走っている。まるで、フリーエージェントを獲得したみたいだよ」と期待も高い。

 オフにはアストロズからFAとなっていた剛腕ゲリット・コールの獲得争奪戦に敗れ、エース級投手の補強はなかった。それでも、同局は「真のエースは、とても珍しく、獲得できることは稀だ。エンゼルスのクリーンナップの打者であるオオタニが、エンゼルスの真のエースの最高の候補者だ」と期待を寄せている。

 万全の状態で復帰する投手・大谷翔平を気長に待ちたいところだ。(Full-Count編集部)

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