駄作映画界の『市民ケーン』!? 今世紀最大の迷作にして伝説のカルト映画『ザ・ルーム』が日本初上映!!

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『ザ・ルーム』©WISEAU-FILMS

クソ映画界の『市民ケーン』!? 世紀の駄作が本邦初公開!

「21世紀最低の駄作」「クソ映画界の『市民ケーン』」などと評される『ザ・ルーム』が2003年に公開されると、そのあまりのヒドさが大きな話題を呼び、なんとも言い難い不思議な魅力の虜になる映画ファンが続出した。そんな世紀の迷作であり伝説のカルト映画『ザ・ルーム』が2020年、ヒューマントラストシネマ渋谷/シネ・リーブル梅田にて開催中の「未体験ゾーンの映画たち2020」のクロージング作品として、ついに日本で初めて上映される。

『ザ・ルーム』©WISEAU-FILMS

この『ザ・ルーム』の脚本・監督・製作、そして主演を務めたのはトミー・ウィゾーという男。ジェームズ・フランコ主演/監督作『ディザスター・アーティスト』(2017年:配給はA24)の元ネタになった作品として、その名前を聞いたことがある映画ファンもいるだろう。フランコも本作に魅入られたファンの一人なのだが、『ザ・ルーム』が作られてしまった過程をウィゾーの完コピ演技で描いた『ディザスター~』は、なんと第75回ゴールデン・グローブ賞でフランコが主演男優賞を受賞するなど高評価を得たのだった。

映画史に残る大事故を日本のスクリーンで体感するチャンス!

そんな映画だけあってか『ザ・ルーム』には熱烈なファンも多く、海外の映画サイトでは星1つとか5点満点で1点といった評価に反して内容は愛情たっぷり、みたいなレビューが数多く寄せられている。実際『ザ・ルーム』の驚くべき点は、そんな駄作にもかかわらず全く退屈さを感じさせないところだ。妙に生々しくムダに長いベッドシーンが何度も挿入され、特に説明もなく登場人物が増え、安っぽい音楽、たまにピンボケするカメラ、別にしなくてもいい背景合成や不要なセット撮影、部屋に飾られている謎のスプーン写真などなど不可解なシーンの連続。そして終始グダグダな演出にもかかわらず、ウィゾーを筆頭に全出演陣の大根演技が逆に観客の集中力(興味)を支え、性急で支離滅裂な展開は自然と脳内補正を要し、つまり退屈だと感じる暇すら与えてくれないのである。

『ザ・ルーム』©WISEAU-FILMS

はじめは「拷問かよ!」と思う人もいるかと思うが、不思議と癖になってくるというか、次第に癒やし効果さえ感じるようになってくるからすごい。しかも、それを狙って作ったわけではないというのが一番の衝撃(あと制作費が6億円超という異常さも)であり、本作が多くの映画ファンに愛される所以でもある。そもそも、ガタイがよく黒々としたロン毛のサイボーグみたいな雰囲気のウィゾー本人がナイーブな主人公を演じたところからして色々と無理があったと思うが、ろくにセリフも覚えられなかったというウィゾーに対し、誰も撮影中にNGを出さなかったという事実が彼の人間的な魅力を証明していると言えるだろう(実際には反抗したら即クビになるので誰も何も言えなかったということらしいが)。

『ザ・ルーム』©WISEAU-FILMS

そして本作は、意外と途中から面白くなるとか、衝撃的な展開を迎えて目が離せなくなるとか、そういったことは一切ない。とにかく全シーン全カットがツッコミどころであり、映画を構成するほとんどの要素が0点で、いったい何を観ているのかわからなくなってくるが、その結果ニヤニヤが止まらない……。ある意味、奇跡の体験ができる映画、それが『ザ・ルーム』なのだ。この先こんなカルト作品はそうそう生まれないと思うので、映画史に残る大事故を日本のスクリーンで鑑賞できる絶好の(?)機会をお見逃しなく。

『ザ・ルーム』©WISEAU-FILMS

『ザ・ルーム』は「未体験ゾーンの映画たち2020」にて2020年3月6日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、4月16日(木)よりシネ・リーブル梅田で公開。期間中には観客参加型の“スプーン上映”も行われる。