履歴書をメールで送るときのマナーと注意点とは?

履歴書の提出を、従来どおり紙ベースで手渡しする名残もありますが、最近ではメールに履歴書を添付することが主流です。提出方法をメール送信に置き換えることにより、応募者と採用担当者側の手間を省くことも実現しています。こちらの記事では、履歴書をメールで送るときのマナーや注意点を中心にご紹介します。

履歴書をメールで送るときに知っておきたいマナー5つ

履歴書をメールで送ることは簡単な操作ではありますが、やはり採用選考を左右することもあり、相手に好感を持ってもらえるマナーを知っておきましょう。

メールの件名は簡潔にする

メールアドレスを持っていると、毎日あらゆるタイプのメールが届きます。中にはセールやメルマガといった不特定多数に送信するようなメールが届くこともあり、どのメールが大事なものなのか判別しにくいのが現状です。

このときに履歴書を添付したメールの件名を「履歴書を送付しました」「履歴書のご確認依頼」などにしておくと、本文を確認しないと誰が送信したメールか分かりにくく、迷惑メールと思われることもあります。「履歴書を送付させて頂きました。よろしくお願いします」といった長々とした件名も誰からのメールか分かりにくいのでNGです。

やはり相手にチェックしてもらえるよう、履歴書を添付したメールの場合、件名を「履歴書のご送付について/〇〇〇(氏名)」とし、簡潔な件名にしておきましょう。件名に自分の名前を入れておくことで、相手もメール確認がしやすくなるのは言うまでもありません。

文面を書く上でのマナーを知る

履歴書を添付するメール文面にもマナーがあります。以下の流れで文面を作っていきましょう。

1. 宛先(※(株)や(社)といった略語は使わない、株式会社や社団法人などの正式な名称で記載)
2. 氏名(※直接応募する場合は簡単な志望動機を盛り込んでOK)
3. 用件(※相手の読みやすさを考えて用件の間を1行空けてメールを書くのがおすすめ)
4. 結びの言葉
5. 署名

本文の例文については以下のとおりです、参考にしてみてはいかがでしょうか。

冒頭

はじめまして。○○(氏名/フルネーム)と申します。

○○で貴社の求人情報を拝見し、貴社の○○職に応募させていただきます。

(引用元:履歴書をメールで送る時の注意点・メール例文 |【エン転職】)

履歴書添付

メールにて履歴書等の応募書類を送付させていただきますので、

ご査収の程、よろしくお願い申し上げます。

(引用元:履歴書をメールで送る時の注意点・メール例文 |【エン転職】)

結び

お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認、ご検討をいただき

一度、面接の機会をいただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

(引用元:履歴書をメールで送る時の注意点・メール例文 |【エン転職】)

応募書類はWordで作成、PDFに変換する

履歴書は、罫線が既に設定されているWordに必要事項を入力する形が定番となっています。ただし、Wordで作成した履歴書を保存して、それを添付して相手へ送るのは好ましくないとされています。

なぜなら、基本的にWordは誰でもデータを修正できる設定になっているということと、自分が使っているOSと相手のOSが違うと、作成したWordの履歴書のレイアウトがそのまま反映されない場合があるからです。

それを回避するには、Wordで履歴書を作成した後に、「PDF」に変換します。履歴書の内容は修正不可能となり、しかもレイアウトも崩れないので、安心して送信できます。

このことから、相手のOSが自分のOSと同じでも違っていても内容のレイアウトが崩れない、「PDF」で履歴書をメール送信しましょう。

ファイル名は相手が認識しやすいものを付ける

メールの件名と同じように、履歴書類などの応募書類のファイル名は、誰の書類かすぐ認識できるよう、「日付+書類名+氏名」としましょう。日付に関しては、後々修正となり再提出する場合もあるので、前のファイルと区別がつくように日付を入れるのが必須です。

添付ファイルにパスワードをかける

メールに添付する履歴書は、第三者への情報漏洩から守る意味でもパスワードの設定をしておきましょう。

パスワードを連絡するタイミングは、履歴書と一緒にでも良いですし、追加でパスワードの案内をするときでもどちらでも構いません。

メールを送信する際には、以下の例文を入れることをおすすめします。

パスワードの連絡が一緒になっているメールの場合

履歴書のファイルに設定されておりますパスワードは以下の通りです。

(引用元:履歴書をメールで送るときのマナー PDF変換の方法・パスワードの設定法 |転職ならdoda(デューダ))

パスワードの連絡が後のメールになっている場合

なお、履歴書のファイルには念のためパスワードを設定しております。

後ほどパスワードをお送りいたしますので、

併せてご確認をいただけますでしょうか。

(引用元:履歴書をメールで送る時の注意点・メール例文 |【エン転職】)

履歴書をメールで送る際にありがちなNG例

履歴書をメールで送る際に知っておきたいのは、NGとされる例です。実際どのようなことがNGなのか、こちらの章でご紹介します。

敬語に間違いがある

敬語の使い方は、尊敬語や謙譲語もあるので、大人になっても難しいと感じる人もいることでしょう。話し言葉と書き言葉でも、使い方が異なる敬語もあるので、メールを書いたときに不安に感じた点は、しっかり調べておきましょう。

よく間違える敬語として挙がるのが、「貴社」と「御社」です。前者は、メールや手紙で使う文語。後者は、電話や会話で使う口語となります。

また、「謙譲語+謙譲語」または「尊敬語+尊敬語」といったような二重敬語も使い方に注意が必要です。頭に「お」を付けたら、末尾に「れる」「られる」を入れるのは基本的にNGとなります。「おっしゃられる」と書いたり話したりする人もいますが、実際は、「おっしゃる」が正解です。

参考

二重敬語のよくある間違い一覧|アンドプラス

メール文面に誤字脱字がある

メールで文章を入力するとよくある事例が、誤字脱字が入っていることです。キーボードやタブレットでの入力は、3文字くらい入力すると言葉の候補が表示されるということもあり、つい間違った言葉を選択し、うっかり変換してしまうこともあります。

「誤字脱字は、誰でもあるから許されるだろう」と誤字脱字を軽く捉える人もいますが、人によっては「雑」「大雑把」というイメージを抱くこともあります。採用担当者の評価を下げてしまうので、誤字脱字に気をつけて入力することを忘れずに臨みましょう。特に、メール冒頭の相手先の会社名と氏名の間違いをしないようにしましょう。

履歴書を添付するメールは重要度も高いので、作成してもすぐに送信せず一度保存します。何度もメールの文面を読み返し、間違っている部分をチェックすることをおすすめします。

メール文面に適度な改行と段落分けがされていない

メール文の作成は、ただ誤字脱字がないよう入力するだけでなく、相手が読みやすいよう、適度な改行設定と段落分けもしなくてはなりません。

メールにおける改行は、1行あたり25文字前後にしておくと、すっきりとした印象になり読みやすくなります。さらに、段落ごとに1行の間隔を空けると読みやすさもアップします。関連性のある内容を2~5行入力し、その後に空白の改行を入れることを意識しましょう。

長い文章になりそうなときは、「。」の句点や「、」の読点を入れることも意識しましょう。

参考

メールの改行マナー(文字数・位置・間隔)|ビズ式

別の会社に送ったメールをコピペし、文面の修正を忘れる

複数の会社を受ける人がメールでよくやりがちなのが、送信済みのメールの文面をコピペして使い回すことです。

時間の効率化の観点で考えると文面を最初から作る手間がかからないので、文面をコピペするのも良いかもしれません。ただし、注意したいのが、冒頭の宛先や文面に書いてある相手先の名前など。コピペした文面の宛名の修正を怠り、そのまま別の相手にメール送信することがないよう、コピペした場合は修正を確実に行い、送信前に再度確認しましょう。

履歴書のテンプレートの選び方

履歴書を作成する上で、職務経験をアピールしたい、スキルの高い資格を取っていることをアピールしたい……などと考えている人もいることでしょう。

もし、自分の長所をアピールしたいなら、自己PR欄や自己紹介の欄の割合が多い履歴書を選ぶと良いでしょう。ほかにも一般的に良く出回っている「JIS規格」仕様の履歴書は、職歴欄や資格欄のスペースが大きめなので、自分のこれまでの経歴で勝負したいという人におすすめです。

参考

履歴書テンプレートの選び方とダウンロード(Word形式・PDF形式) | リクルートエージェント

無料ダウンロードOK、履歴書テンプレートのおすすめサイト

履歴書も最近はWordで作成するケースが多くなり、従来よりも効率的に履歴書を作成できるようになっています。

こちらの章では無料ダウンロードできる履歴書のテンプレートの中で、おすすめのサイトをご紹介します。

マイナビ転職

マイナビ転職が提供している履歴書テンプレートは、「編年体形式」「逆編年体形式」と「キャリア形式」の2つのタイプがあります。ご自身の経歴に適した形式で記載しましょう。

履歴書と職務経歴書は、それぞれの経歴などに応じて異なる書類が手に入れられるのが特徴です。ほかにも営業系や事務系などといったそれぞれの職種から選択できるのが特徴です。

参考

職務経歴書・履歴書ダウンロード(すぐ使える手書き・パソコン用テンプレート・サンプル)|マイナビ転職

転職Hacks

転職Hacksでも、履歴書のテンプレートのダウンロードが可能です。基本的にテンプレートは、職歴の多さと少なさによって複数の種類が用意されています。

参考

履歴書テンプレートの無料ダウンロード全5種類(word・PDF)|転職Hacks

まとめ

今回は、履歴書をメールで送るときに知っておきたいマナーとNG例を中心にご紹介しました。

履歴書の作成もメール文面の作成も、相手のことを考えて作業を進めていくのが肝です。また、転職のエージェント会社が、履歴書を無料ダウンロードできるページを設けているので、ニーズに合った履歴書を入手し活用してみてはいかがでしょうか。

こちらの記事を参考に、採用担当者側が「直接会って、話してみたい!」と思えるような履歴書を作成してみましょう。

参考

履歴書の書き方マニュアル完全版! 履歴書の見本(サンプル)・作成方法|マイナビ転職

敬語の使い方・改まった表現・気をつけたい表現|広島工業大学

第二話「敬語の基本」理解度チェックの解答|文化庁

履歴書をメールで送る時の注意点・メール例文 |【エン転職】

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