ブラック企業の診断ポイントを解説!あなたの職場は大丈夫?

社会的に大きな問題となっているブラック企業。今回はブラック企業かどうかを診断するポイントから、ブラック企業に入社しないために気をつけたいこと、万一入社してしまった場合の対処方法をご紹介します。

「自分の会社はブラック企業かもしれない」と悩んでいる人は、診断ポイントを参考に自分の会社を見つめ直してみましょう。

ブラック企業の診断ポイントをチェック!

入社した直後は、学生の頃とは生活リズムも、求められる行動も変わるため、「辛い」と感じることもあるでしょう。しかし、それらの会社すべてがブラック企業というわけではありません。ここでは、どのような企業の場合はブラック企業で、注意が必要となるのか、そのポイントをご紹介します。

不当に給料が低すぎる

まず、不当に給料が安すぎる場合があります。例えば、給料を時給に換算した場合、最低賃金を下回る水準である場合です。

また、当初の契約では給料が低くなくとも、原料費の高騰などの社会環境変化や経営の悪化などを理由に、一方的に変更の告知もなく突然、就業規則などを変えて給料を減額するといった場合もあります。このように、労働の対価を正当に支払わない企業はブラックと考えてよいでしょう。

パワハラ・セクハラが職場に蔓延している

業務において、上司から注意を受けることはあります。特に新人のうち、仕事に慣れるまではその機会は多くなります。

しかし、それが過度に怒鳴るなどパワハラに発展している場合、しかも、そのようなパワハラが組織に蔓延している場合はブラックな体質といえます。パワハラを行っている人がごく一部の場合、その人に会社から注意・指導をしてもらう、または配置転換を行ってもらうことで状況を改善することもできますがこのような場合はそれも期待できません。これは、パワハラだけではなく、セクハラも同様です。

残業時間が極度に高い

過労死ラインとなる残業時間は80時間とも100時間ともと言われています。継続して残業時間が100時間を超えるようや職場では心身を壊す可能性が高まります。このような職場はブラックといえるでしょう。

職場環境の改善を目指し、政府も残業規制のルールを以下のように見直しました。現在、この新しいルールの適用は大企業のみですが、2020年度からは大企業以外もルールが適用されることになります。

現行	労使で合意すれば、残業時間を青天井で上限設定できる。
新ルール	最大でも単月残業時間100時間未満、年720時間以内2~6ヶ月平均で80時間以内月45時間を超えて良いのは年6回まで違反企業に罰則

(残業上限規制とは 年720時間以内に | 日本経済新聞社 より筆者作成)

参考

中小企業の残業規制は2020年4月から!中小企業が今すべきことは? | HRソリューションラボ

過労死ラインは80時間 労働時間の減らし方と労災認定の基準 | 労働問題弁護士ナビ

有給休暇の取得ができない

有給休暇の取得は労働者の権利です。有給休暇は支給されるものの、実際は使わないように強要するようなことは法律に抵触します。

もちろん、有給取得するにしても業務上不都合がある場合は、会社側に取得日を変えるように求めることはできます。しかし、有給の取得自体を拒否したり、有給取得の理由を求めることもできません。

不当な解雇や退職の強要がある

突然、理由もなく解雇される企業もブラック企業といえるでしょう。また、「解雇部屋」というニュースが世間を騒がせたこともありました。パワハラや不当な扱いをもって退職を強要されることも、許されることではありません。

一方で、ブラック企業には逆に辞めたいにもかかわらず、さまざまな脅しを用いて、退職を妨害するような場合もあります。いずれにせよ、解雇や退職において、労働者の意思を無視し、不当な取り扱いを行うことはブラック企業の特徴の一つであるといえます。

社員が自腹でノルマの穴埋めや必要経費の出費をまかなう

業務上、業績目標を与えられることはあります。これは、社員の業績を適正に評価するためにも必要なことです。

一方で、社員に対して、ノルマを与えて、達成できなければ自身で穴埋めするように求められることはあってはなりません。例えば、保険契約において、ノルマを達成できなければ、自分や身内で契約するように求められるようなケースです。

その他にも、企業が事業活動に必要な費用の負担を社員に求めることも問題です。例えば、会社の命令で行う出張の旅費を自己負担する、指示を受けて受講した研修費用が給料から天引きされるといったことです。

これらのケースのように、会社が利益を上げるために、従業員に必要以上の負担をしいるような企業はブラック企業であるといえます。

ブラック企業に入社しないために気をつけたいこと

企業の風土は実際に入社しなければ分からないことも多くあります。しかし、いくつかのポイントは入社前に気づくことができます。

入社前に情報を集める

まずは入社前の求人情報。常時、大量の求人を行っている、求職者に求める応募要件が低すぎるといった場合には、企業体質に問題があり、退職者が多く発生している可能性があります。会社四季報に掲載されている企業であれば、離職率も確認できるので参考にしてみるとよいでしょう。

採用時の契約を確認する

次に、採用された後の雇用契約締結時。雇用契約がないといった場合はもちろん、雇用契約内容によってもブラック企業である可能性は高まります。例えば、正社員募集であったのに雇用契約上は契約社員になっているなどと、雇用契約と求人に記載されていた内容が異なり、本人に知らされていなかった場合は問題です。また、不自然に長い試用期間が設定されている場合も、試用期間で安く人材を活用して使用期間後は解雇しようと考えている場合があります。契約書は長いからと、よく読まずに印鑑を押してしまうという人もいるかもしれませんが、自分の身を守るためにも内容を確認してから契約を締結しましょう。

口コミを見る

また、インターネットにおける口コミも判断材料の1つとなります。もちろん、インターネットには正確ではない情報や嘘も多く含まれているため、慎重な見極めは必要です。しかし、あまりに悪評が目立つ企業というのは、注意が必要でしょう。

ブラック企業に入社してしまった場合の対処方法

最後に誤ってブラック企業に入社してしまった場合の対処方法をご紹介します。

転職をする

自分の会社がブラックであると気づいたら、まずは転職を考えましょう。「最低でも同じ会社で3年間は働いた方がよい」という考え方があることも確かです。しかし、ブラックな環境で心身を壊しては、本末転倒です。また、このような会社で3年間働いて、本当に有用な経験を積むことができるのでしょうか。まずは、転職を考えることをおすすめします。

外部機関に相談する

労働組合といった社内組織に相談する方法もありますが、労働基準監督署のような外部組織に相談するのも1つの方法です。

労働基準監督署に相談すると、会社を調査し、指導をしてもらうことができます。ただし、労働基準監督署は人手不足であるため、そのスピードや効果は期待通りではないかもしれません。

まとめ

今回はブラック企業について、診断ポイント入社前の見抜き方、もし、入社してしまった場合の対象方法についてご紹介しました。

しかし、自分のことはなかなか冷静に判断できないもの。もし、少しでも「ブラック企業かもしれない」と思ったら、そんなことはないと自分で否定する前に、近くの人に相談して冷静に判断してもらうとよいでしょう。

参考

【弁護士が解説】ひと目でわかるブラック企業の特徴12個と対処法 | クエストリーガルラボ

ブラック企業とは|ブラック会社の特徴10個と見抜くポイント | 労働弁護士ナビ

うっかりブラック企業に要注意!ブラック企業の5つの特徴とその対策 | ボーグル

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