【MLB】筒香嘉智の夢舞台に親心を見せる恩師・中畑氏 「手応えを感じてますよ俺が」

レイズ・筒香嘉智と中畑清氏【写真:木崎英夫】

筒香は28日のタイガースとのOP戦で3打数2安打2打点と活躍

■レイズ 6-3 タイガース(オープン戦・日本時間28日・シャーロット)

 レイズの筒香嘉智外野手は27日(日本時間28日)、ポートシャーロットの本拠地でタイガース戦に「3番・DH」で先発出場。一塁強襲安打と左翼線二塁打と2本のタイムリーを放ち3打数2安打2打点1三振と結果を残した。テレビの取材で訪れたDeNA前監督、中畑清氏(野球評論家)がスタンドで見守る中、筒香はオープン戦初の複数安打を記録した。

 2012年から4年間ともに戦ったかつての指揮官の前で、筒香は2本のヒットを放った。1回裏、1死二塁で入った第1打席では、これまでにないアプローチを見せた。“初球狙い”で内角高めの速球を強振。ライナーの打球は一塁手のミットを弾き右前へと転がった。中畑氏はその積極性を高く評価。「初めての対戦でバットマンとしては初球からなかなか手を出せないもの」と感心した。

 2打席目はカーブにバットが空を切り空振り三振に倒れた。だが、スイングに好感触を得ている。イメージするタイミングでバットが振れていた。「スイングの感覚でいくと一番いいのは2打席目なんです」。

DeNAで監督を務めた中畑氏「いつか壁にぶつかるが、その時に笑顔でどう乗り切れるかということ」

 5回2死一塁の場面で打席に入ると、外角高めの直球を芯で捉え鋭い打球で左翼線ギリギリへ運んだ。「僕の基本」と言い続ける左方向への適時打は体重が乗った球足の速い打球だった。

 この一打に熱を帯びた中畑節が冴える。

「右バッターが引っ張ったような打球の強さで打ち返してる。彼がずっと取り組んできた逆方向への打球が本物になってきてるね。手応えを感じてますよ、俺が。本人よりも」

 練習前に固い握手を交わして再会を喜び合った教え子の成長を心から喜んだ中畑氏は夢舞台に挑戦中のかつての教え子に、親心をのぞかせる。

「いつか壁にぶつかるが、その時に笑顔でどう乗り切れるかということ。あとは怪我なく頑張ってくれたらいいと思う」

 28日(同29日)は首脳陣から完全オフ日を与えられた筒香は、ナイターで行われる29日(同3月1日)のブレーブス戦に三塁で出場の予定。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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