センバツ開催の是非に現場の声は? 「一生に一度」「汚点を残す可能性も…」

第92回選抜高校野球大会の開催の判断が迫られている

野球以外の“選抜大会”は次々に中止を発表「応援がある中でやることの意義」無観客には否定的な声も

 新型コロナウイルスの影響で日本政府は全国の小中高と支援学校に休校を要請。大規模なイベント中止が決まる中、3月19日に甲子園で行われる第92回選抜高校野球大会の開催の判断が迫られている。甲子園出場経験のある監督たちは「子供たちのことを思えば開催してもらいたいが…」と苦しい胸の内を明かしている。

 センバツは開催されるのか? 昨秋の地方大会で結果を残し選抜された32校の高校球児は不安を募らせている。野球以外ではすでにハンドボール、空手、剣道、ボクシングなど“選抜大会”の中止を発表。プロ野球でもオープン戦が無観客試合になるなど、様々な対応が取られている。

 現役時代に甲子園出場を果たしたある高校の監督は「感情論、子供たちのことを思えば開催してほしい。夢を追って実現させた努力が無くなるのは辛い。だが、そうは言ってられないのが現状」と語る。無観客試合での開催にも「甲子園で試合をやるのと、甲子園に出場するのは全然違う。大観衆の中、応援がある中でやることで感じるものがあるので…」と否定的だ。

 また、過去に春夏連続で甲子園出場を果たしたある野球部の部長は「阪神大震災、東日本大震災の時とはまた違う。ウイルスの被害がどうなっていくか分からない。開催して仮に被害者を増やす形になれば高校野球の歴史に汚点を残す可能性もある。野球だからOKというのはどうなのか。大げさに言っても日本の為に…」と、センバツの中止もやむを得ないとの意見。

 一方で現役の高校球児は「甲子園に出られるのは一生に一度かもしれないので……。でも、誰もが納得する形じゃないといけないと思います。もし、批判を受けながらプレーするのは辛いので」と複雑な思いを口にした。

 日本高野連は3月4日に行われる運営委員会で今後に向け話し合いを行う。選抜高校野球大会の開催の是非が問われる中、どのような判断を下すのか注目が集まる。(Full-Count編集部)

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