「トイレットペーパーなくなりません」 業界団体「冷静対応を」

トイレットペーパーやティッシュが売り切れとなったドラッグストア店頭=28日午後9時45分ごろ、相模原市中央区

 新型コロナウイルスの感染拡大に絡み、各地の小売店でトイレットペーパーの「買い占め騒動」が起きたため、業界団体が冷静な対応を呼び掛けている。

 発端はSNS(会員制交流サイト)で流れた「デマ」だった。

 「マスクとトイレットペーパーは原材料が同じ。マスクの増産で次は紙製品が品薄になる」

 国内の製紙業者約40社が加盟する日本家庭紙工業会(東京都)によると、トイレットペーパーの主な原材料はパルプや再生紙で、不織布などで作るマスクとは異なる。

 SNS上でも「だまされないで」といった指摘が多数投稿されたものの、県内のスーパーや薬局でもトイレットペーパーやティッシュなどが品薄になる事態が起きた。さらに、空っぽになった商品棚の画像がアップされ、一部の消費者の間で不信感が広まったとみられる。

 工業会の担当者は「昨年10月の消費税率引き上げによる反動減で、各社は相当な在庫を抱えている。一時的に店頭からなくなったとしても、すぐに補充が可能だ」と強調する。

 流通しているトイレットペーパーの多くは国内生産のため、供給体制にも問題はないという。

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