児童施設や学習塾で受け皿確保懸命 県内一斉休校

休校で行き場がなくなった生徒を受け入れようと、開講時間を延長する「北斗塾」=28日午後、宮崎市旭2丁目

 児童施設や塾などでは、感染予防対策を強化して自宅外での活動や学習の場を確保する取り組みが見られる。
 通常通りの開館を決めたのは宮崎市きよたけ児童文化センター。鼻水などの症状がある子どもの検温、来館者増を予想した職員シフトの調整といった新たな対策を講じる。金丸二夫館長(71)は「少しでも対策が予防に役立てばよい」。同様に開館する同市霧島児童館の高野明広館長(65)も「万全の対応で子どもたちを見守るしかない」と表情を引き締めた。
 県内に6教室がある北斗塾は空気清浄機増設など対策を強化、通常は放課後に来る生徒が朝から夜間まで通えるようにした。一木康広塾長(49)は「行き場のない生徒、保護者の不安を取り除ければ」。同市の大手学習塾は本部から「自宅受講を」と通達。オンライン受講を可能にした。
 同市のあるスイミングスクールは、小学生らの教室を続ける方針。更衣室で一緒になる時間を極力減らすため指導時間を短くするなど、感染防止に配慮するという。県スイミング協会の水島千江子事務局長によると、県内のスクールは基本的に休校期間中も営業する。「社会体育の観点から受け皿は必要。送迎バスを小まめに消毒するなど対策を講じている」
 県内の公共図書館、同市・大淀川学習館では読み聞かせなどのイベントを取りやめ。開館の継続判断は一様に「所管課の判断を待つ」としている。
 中学生が所属する同市内のあるサッカークラブは29日以降、活動を休止する。監督の30代男性によると、28日は自主参加という形で練習。その後どうするか決めかねていたが、夜になってほかのクラブ関係者と情報交換した上で決めた。
 この日の練習では継続を期待する声が聞かれた。中学2年の息子を送迎した40代介護職女性は「試合も練習もできないなんてかわいそう。感染防止という面は分かるが、子どもが集まる場はあってほしい」と話した。

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