障害児ケア 負担重く 県内一斉休校

休校中の受け入れも検討している放課後等デイサービス「チューリップ」=28日午後、宮崎市田野町

 医療機関に勤める児湯郡内の40代女性は特別支援学校に通う長男(13)がいる。医療費や家計のためにと共働きで週5日勤務するが、休校する2週間のうち、施設に受け入れてもらえるのは数日だけだった。「仕事を休むしかない」。女性は途方に暮れている。
 女性は28日朝、長男に必要な医療ケアを処置できる施設に受け入れ可能かどうか急いで問い合わせた。だが、「定員が埋まっている」との回答があり、調整してもらった末にようやく受け入れてもらうことになった。
 「政府は余裕を持って発表してほしかった。他の施設を探す時間すらなかった」。休校が延長となった場合の受け入れ先は見つかっていない。
 知的、発達障害児を預かる宮崎市田野町の放課後等デイサービス「チューリップ」を運営する長谷川真菜さん(39)は「利用する障害児たちの保護者の多くが共働き」と明かす。
 それだけに施設の必要性を痛感している。学校が休校しても受け入れを継続するつもりだが、「通常より長時間預かるため、対策を考えなければいけない」と責任と不安がのしかかる。
 特別支援学校に通う子どもたちは環境の変化に敏感だったり、日常生活に支援が必要だったりする。休校中であっても施設に通わざるを得ないことに、同市の特別支援学校の女性教諭は「学校でも施設でも環境は変わらない。休校する意味がないのではないか」と疑問視する。

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