前田は投球フォームを微調整、ジョンソン投手コーチと意見交換する姿も
ツインズの前田健太投手は28日(日本時間29日)、2日後の登板に向けてキャッチボールや室内でのトレーニングなどで調整。ウェス・ジョンソン投手コーチとフォームについて意見交換も行うなど、打撃好調の筒香嘉智外野手が所属するレイズ戦へ準備を進めている。
前田はキャッチボールを終えると、ブルペンでシャドーピッチングを行った。ワインドアップでゆっくりと引き上げる左足に注意を払うなど、頭の中にある理想とするフォームのイメージを一連の投球動作で確認。前日にその動きに、微調整を施したこともあり、終了時にはジョンソン投手コーチと意見交換を行った。
キャンプでは左打者に有効なカッターに磨きをかけている。24日(同25日)のオープン戦初登板では1球だけ投げたが、筒香を含め左の好打者を揃えるレイズ相手の次回登板では有効活用する考えだ。
「練習でやっている限りはいい感覚はあるので。それをゲームの中でより良くできるように、試合で迷いなく使えるようなボールにできるようにやっていきたいと思います」
オープン戦4試合で9打席に立った筒香は、内角へのカッターを配した組み立てで攻められるケースはなく、3月1日(同2日)の対決では筒香を含めた他の左打者への投球が注目される。
もっとも、前田が次回登板に重きを置くのは「全球種全コースにどれだけまんべんなく投げて行くか」で、打者封じへの意識が過剰になると投球の組み立てが偏り、調整に悪影響が出るという。
筒香との直接対決へ抱負「打たれても大きく書かれなければいいです」
3月1日(同2日)の試合に出場がすでに決まった筒香とのメジャー初対決に注目が集まるが、前田の抱負は笑いを誘った。
「打たれても大きく書かれなければいいですって、最初に予防線を張っておく。抑えにいくと言って打たれたらちょっと大きく書かれるから」
公式戦を前にお互いがまだ調整の段階にいる時期の豪華対決を前田は「純粋に楽しみたい」と結んだ。
一方、オープン戦の打率を.571としてレイズ首脳陣の信頼を日増しに高める筒香は、先輩右腕との対戦を心待ちにする。
「日本でやらしていただいた時、本当に凄い投手だと思った。僕は全然打ててないですけど、久々の対戦ですし、何か対戦をする中で気付かせてもらうことがいっぱいあると思うので。勉強させてもらいます!」
1本塁打を含む4安打3打点と軽快なペースで結果を残している筒香だが、打席でのプロセスを大切にして臨んできた。ストライクゾーンの確認や追い込まれてからは真っすぐ待ちで変化球に対応するなど、打撃の引き出しを使う確認作業は積み重ねる打席で手応えを深めつつある。「練習で意識的にやっていることを試合で無意識に行えることが、僕は1番大事だと思っています」と筒香。
メジャー5年目の前田とルーキー筒香の春の対決は、ともに結果以上の意味を持つものになる。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)