臨時休校 学童保育「できる限り、でも…」

 国は、共働きやひとり親家庭の小学生を預かる放課後児童クラブ(学童保育)について、原則として「開所」を求めている。県内では各クラブに受け入れ拡大を求める自治体もあり、関係者は「できる限り対応したい」と人繰りなどを急いだ。
 12のクラブがある雲仙市は392人の児童が登録。市子ども支援課は、午前中からの開所など受け入れ拡大をクラブに要請した。職員3人体制で運営する西彼長与町のクラブは、夏休みなどと同様に午前8時開所を決定。人員を確保し、勤務シフトを作り直した。県学童保育連絡協議会の小山浩会長は「27日の夕方以降、保護者から問い合わせや開所を望む声が相次いだ」と話す。
 準備が進む一方で疑問や不安の声も。県央地区の自治体職員は「居場所が学校から学童保育に移るだけ。感染防止に有効なのか」と首をかしげる。佐世保市内で放課後児童支援員として働く女性(52)は「子ども同士で接近する機会の多い学童保育の方が感染リスクは高い」と懸念。対馬市の男性支援員(55)は「できる限り対応したいが、インフルエンザなども心配だ」と不安をのぞかせた。
 約60人が通う長崎市の「桜町クラブ」も3月4日以降は午前8時から開所する方針。安藤寿敏代表理事は「万が一発症者が出た場合に尻拭いをさせられるのではないかとの懸念がある。ただ、行き場のない子どもたちを切り捨てるわけにはいかない」と語った。

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