マイケル・ジャクソンとピンク・レディーの類似性、妄想探偵が解き明かす! 1980年 3月1日 米国 NBC でピンク・レディーの冠番組「Pink Lady & Jeff」の放送が始まった日

マイケル・ジャクソン「スリラー」ラストの奇怪な笑い声の正体は…?

マイケル・ジャクソンが、何故これから記すような珍事件をひき起こしたのか、その事実については詳しいことはわからない。それは彼がアルバム「スリラー」(1982年)を発表し、世界中にその名を轟かせ伝説的な大ヒットを飛ばしていた時のことだった。私はその時、何か過去に聴いたことがあるような既視感(デジャヴ)に襲われていたのである。そして、曲のラストにワハハハハ… という奇怪な笑い声。

「あ!… コレ、モンスターじゃねーか!」

あの当時、そうツッ込んでしまったのは果たして私だけだったのだろうか。お分かりだろうか?「モンスター」とは、日本中を熱狂の渦に巻き込んだピンク・レディーの大ヒット曲。まさか、マイケルが? そこで私は得意の妄想パワーで推理を試みた。

マイケルは稀に見る天才である。しかし、彼には良いものはそのまま取り入れてしまうという癖がある。そう、例えばムーンウォークを例に挙げればわかりやすいかもしれない。初めてムーンウォークをテレビで披露したダンサーは、シャラマーのジェフリー・ダニエルだと言われている。当時、バックスライドと呼ばれていたその技をマイケルが1,000ドル払ってジェフリーから教わったという話は今や定説となっている。

マイケルは見た? アメリカ進出したピンク・レディーの冠番組

さて、話を戻そう。1979年、ピンク・レディーは「キッス・イン・ザ・ダーク」を発表。彼女たちは日本から米国へと活躍の場を移し、ビルボード・全米チャート第37位という快挙を果たしている。テレビでは冠番組を持つほどの人気を得ており『Pink Lady and Jeff』(NBC/1980年)では人気コメディアンとコントを演じたり、アメリカの大スターたちに混じって日本語曲も歌っているのだ。実は「モンスター」も披露され全米中に放映されている。占拠率20%を軽く超えていたこの番組をマイケルが目にした可能性は高い。注目したいのは曲の冒頭の笑い声以外にもある。それは、番組で彼女たちが披露した「モンスター」のダンスと衣装である。

まずはサビの終わり「♪ モンスター、満月だわ。ワーオ、ワオー…」の部分。比べてみればなるほど… その振り付けはスリラーのゾンビダンスに影響を与えたかもしれない。次に衣装である。黒と赤との違いはあるが、そのシルエットはスリラーでマイケルが着用した胸部が逆三角系の皮ジャンと酷似している。マイケルがこの番組を観てインスパイアされ取り入れたのではないか… 私は勝手に妄想… いや、そう推理するのだが、いかがだろうか(証拠は何ひとつない)。

余談だが、「モンスター」冒頭の笑い声は、ホットブラッドの「ソウル・ドラキュラ」(1976年)からの引用ではないかと真しやかに語られている。これもまた真相は闇の中。誰か都倉先生あたりに聞いてもらえないだろうか。

Song Date
■ Thriller / Michael Jackson
■ 発売日:1982年12月1日 ※アルバム

■ モンスター / ピンク・レディー
■ 作詞:阿久悠
■ 作曲:都倉俊一
■ 発売日:1978年6月25日

※2016年10月8日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: 鎌倉屋 武士

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