「裁判長は賄賂でももらったんか?」 大津いじめ自殺裁判で被害者を“二度殺した”高裁判決 “両親の過失”で10分の1に減額!?

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2011年10月、大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が自殺したのは「いじめ」が原因だとして、男性生徒の両親が元同級生3人らに計3850万円の損害賠償を求めていました。

一審を覆す信じられない判決

「顔を殴られたり蹴られたりする」

「制汗スプレーを使い切るまでふきつけられる」

「口に粘着テープを貼られ、手足を鉢巻きで縛られる」

「蜂の死骸を食べさせられそうになる」

これらの行為を「いじめ」と呼ぶには生ぬるいでしょうが、一審の大津地裁判決で認定された被害事実です。

2020年2月27日、その訴訟の控訴審判決が大阪高裁で下されました。

「自殺は自らの意思によるものであり、両親側の家庭環境を整え、いじめを受けている子を精神的に支えられなかった」(佐村浩之裁判長)

なんと、被害者の両親にも“過失”があったとして(過失相殺)、元同級生2人に計3750万円の支払いを命じていた一審の大津地裁判決をくつがえして、賠償額を減額したのです。その額約400万円、ほぼ10分の1です。

大阪地裁は、いじめと自殺の因果関係を認めたうえで、両親がいじめられた子どもを支えられなかったという「過失」を持ち出して、罪(賠償額)を10分の1にしたのです。

判決後、父親の発言に注目

この判決のネットニュースが流れて、たちまちSNS上では大炎上ともいえる怒りの声が沸き上がりました。

「自殺は自らの意思によるもの?はあ??」

「いじめられてる事を親に言える子っている?」

「いじめ自殺は被害者と家族の責任らしいよ」

「なんだこの判決は?被害者の方が悪いって!」

「裁判長は加害者から賄賂でももらったんか?」

「狂ってるとしか思えない判決」

男子生徒は自宅マンションから飛び降りて自殺しました。その事件後に学校が実施したアンケートで「自殺の練習をさせられていた」などの記載があり、いじめの被害が発覚し、元同級生の2人が暴行により書類送検されたのです。

過去の事例において、いじめと自殺をめぐる裁判では因果関係や予見関係を認定することは極めて難しいとされてきましたが、第一審では「自殺することは一般的に予見可能だった」として、被害者家族の訴えを全面的に認める“画期的”な判決が出ました。

しかし、「自殺は自らの意思」や「過失相殺」とされた、この控訴審判決によって、被害者と被害者家族は「二度殺された」のではないでしょうか。

それでも、被害者の父親は判決後の会見で気高いコメントを残しました。

「これまで因果関係が認められてこなかった多くのいじめ訴訟を大きく前進させる判決…『いじめを許さない』という司法からの強いメッセージだと受け止めたい」

いじめと自殺に因果関係が認められれば、もはや間接的な「殺人」です。こういった事件にこそ、裁判員制度が必要なのかもしれません。(文◎編集部)

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