漫画「平戸切支丹ものがたり 苦行の鞭」発行 世界遺産・春日集落の信仰具 歴史伝える

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漫画「平戸切支丹ものがたり 苦行の鞭」を手掛けた米倉さん(左)と企画した田中さん=平戸市崎方町

 長崎県平戸市は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産に含まれる「春日集落」(同市春日町)に伝わる信仰具を題材にした漫画「平戸切支丹(きりしたん)ものがたり 苦行の鞭(むち)」を発行した。キリシタン墓地を扱った昨夏発行の「丸尾山」に続く第2弾。「オテンペンシャ」と呼ばれる信仰具の由来を紹介した。

 春日集落では、江戸時代にキリスト教の信仰が禁じられて以降、住民の多くがキリスト教と仏教や神道を並行して信仰。信仰が解禁された明治期以降は「かくれキリシタン」となり、禁教期の信仰形態を続けた。
 「オテンペンシャ」は麻製のひもを束ねた道具。16世紀のキリスト教伝来時に宣教師が持ち込み、苦行の際に用いた「ジシピリナ」というむちに由来すると考えられている。春日集落のかくれキリシタンは病人のおはらいなどに使っていた。現在は同集落の案内所「かたりな」に展示しており、来訪者に信仰の歴史を分かりやすく伝えようと漫画化した。
 漫画は春日集落担当の地域おこし協力隊員、田中能孝さん(43)が企画。第1弾に引き続き、東京のデザイン専門学校を卒業した同市崎方町の衣料品店主、米倉裕治さん(50)に執筆を依頼した。米倉さんは「一人でも多くの人に見てもらい、平戸と春日集落を盛り上げたい」と話している。
 A4判、カラー4ページ。2万部を発行。かたりなで無料配布している。