THIS IS JAPAN - ツアーファイナルはシェルター2DAYS!!「ディスジャパ今一番面白い!!!」

3rd EP『WEEKENDER』

──昨年の11月に発売となりました、3rd EP『WEEKENDER』どんな作品になっていますでしょうか?

かわむら(Dr&Cho):生きてく上でどうしても避けて通れないもの。それを避けずに、楽しめるところを楽しんで生きていくのもいいんじゃないかな、という思いを込めて作りました。そういう気持ちでバンドをやっていますので。平日あっての週末ですからね。サウンドで言うと、シンプルでエッジィなギターと声が目立つのかなと思いますが、しっかりと歌心が込められたディスジャパらしい人間味のあるEPだと思います。メンバーそれぞれのカッコ良い部分を聴けるのが気に入っています。

水元(Ba):はじめにWEEKENDERというアルバムタイトルにしようという川村さんの提案をきいて、なんか響きがいいな! いいじゃん! というところから始まり、今ではディスジャパにぴったりだなと思って気に入っています。これまでよりサウンド面で初めて引くことを覚えたアルバムだと思います。みんなのやっていることがより引き立っていると思います。

小山(Gt&Vo):自分が思っている以上に何をやっても大丈夫と感じてもらえたら嬉しいです。制作当時、僕らも自分たちで気づかないうちに自分たちを制限しているところがあるんじゃないかと考えていた時期で、制作は出来る限り方法を限定しない様に意識していました。

杉森(Vo&Gt):4人で向き合って製作していく中で、改めてバンドをやることの楽しさを思い出すことができました。そんな前向きな気持ちも、このEPに込められたと思います。

──発売から3か月ほど経ちましたが、周囲の反応はいかがですか?

かわむら:どうなんでしょうか。でも我々は今までの自分たちのサウンドから、より強固でシンプルに、と思って作った盤なのですが、それは皆さんに伝わっているような気がします。

水元:なんか変わったね! と言われることが多いですね。でもあんま変わったという気はなくて、今までやってきたことをよりディスジャパらしくやるにはどうしたらいいんだろう、という結果だと思います。またどんどん変わって行きたいっす。

小山:変わったねと言われる一方で、シンプルになったともよく言われます。自分でも予想外だったのですが、自分たちに必要なもの、必要でないものが自然と整理されたのではないかと思います。

杉森:4人のそれぞれの音がしっかりと伝わっている気がします。その結果か、「今までよりもひらけて聞こえた」という感想が多かったかなと思います。

シンプルにカッコいい音楽

──EPと同時期に発売となったコンピレーションCDの第2弾『NOT FORMAL〜NEW CHALLENGER〜 』ですが、こちらはどう言った経緯でのリリースになったのでしょうか?

かわむら:第1弾を出したときは、閉塞感のあるシーンから飛び出して、「オルタナティブなものをみんなに知らせてやる」と言った意気込みでしたが、時代が変わって、今はインディーシーンが前よりも伸び伸びしてるように思えるんですね。勿論全てが上手くいくような世界ではありませんが。なので、とにかく前回よりも気負いは無く、身近でシンプルにカッコいい音楽を自慢したい、という気持ちでリリースしました。第1弾よりもより奔放なラインナップだと個人的には思っています。この中から気に入ったバンドを見つけた、という感想を見かけとても嬉しくなりましたが、まさにコンピを出す醍醐味ですね。

水元:第2弾はより近いシーン・身近なところでかっこいいバンドに集まってもらう事ができたと思います。色んな街のバンドが集まってくれたな! と思っていてその街々のバイブスが詰まっているな! と僕は思っています。

小山:音楽のジャンルについて、良い意味であまり意識しなくなった気がします。今の時代はもっと根底にあるものをみんな感じとっているんじゃないかと考えるようになりました。

杉森:第1弾は、活動していく中で出会った同志と旗を上げる! という気持ちが大きかったように思いますが、今作はNEW CHALLENGERと題している通り、より幅広い世代の、幅広いジャンルのバンドに集まっていただきました。

今作のライブイベントも開催したのですが、お客さんが初見のバンドを見て盛り上がっていると、企画してよかったな…と素直に思えました。

メジャーデビュー作第1弾

──2月11日にはキューンミュージックよりメジャーデビュー作第1弾シングル“Not Youth But You ”が配信リリースとなりました。3rd EPの発売から間髪を入れずにしてのリリースになりますがこちらはどんな作品になっていますでしょうか?

かわむら:ディスジャパのエモーショナルな部分が大きく出ている曲です。メンバーは総じて照れ屋ですが、この節目にしっかりと、素直に前向きなメッセージを込められたんじゃないかと思います。サウンドもまっすぐ、歌詞もまっすぐ、王道でロマンが詰まった、相変わらず歪んだロックチューンです。是非何か行き詰まった時にでも聴いてみて下さい。元気な時でも構いません、前に歩く気持ちが湧いてくると思います。

水元:昔よくディスジャパはヒーロー感あるよねって言われてましたけど、WEEKENDERはダークヒーローでこっちは正統派のヒーローみたいなイメージですね。自分でヒーローって言うのやばいですけどね(笑)。

小山:結成当初、右も左も分からず足して足しての作り方をしていた時期、方向性を模索していた時期を経て、今シンプルに音楽を楽しめていることをサウンド面でも、歌詞でも表現できた一曲になったと感じています。

杉森:最近の曲作りで模索していたクールさと、ディスジャパ本来の熱量を併せ持った、前むきでエモーショナルな一曲だと思います。ずっとやり続けられる曲だと思いました。

──黒柳勝喜監督によるボクシングジムでのMVもとても印象的でした。撮影秘話などあれば教えてください。

かわむら:ボクシングジムに初めて入ったのですが、入った途端、その静謐で神聖な空気に身が引き締まりました。自分はボクシングものの漫画が好きで、それに加えてそもそもこの曲に「ミリオンダラーベイビー」をイメージしながら歌詞を書いた部分もあるので、撮影中もずっとワクワクしていました。

水元:ボクシングジムめちゃくちゃかっこいいですね。撮影したジムは鶴見にあって、高校時代からよく鶴見にはよく行っていたのでその辺りも含めてなんか嬉しかったですね。

小山:杉森さんが衣裳に着替えた瞬間、カチッとスイッチが入ったのが伝わってきて笑えました。

杉森:本物のボクシングジムで、本物のスパーリングを見せていただき、思わず見惚れてしまいました! パンチの音が凄まじかった、、録音したかったです。

音楽が音楽の価値を損なわないこと

──CDに変わって、配信やサブスクリプションサービスが日本でもだいぶ浸透してきましたが、昨今の音楽の聴き方の変化についてどのような考えをお持ちでしょうか?

かわむら:個人的には今の時代の音楽との関わり方はとても好きです。気軽に本物に触れる環境がここまで増えたのは、学生みたいな若い子たちにとってとても良いことだと思います。中学生の自分に今の時代のサブスク事情を教えたら、歯を食いしばって羨ましがるんじゃないでしょうか。まだ時代は転換期だと思いますので、より音楽が音楽の価値を損なわずに、多くの人に親しまれるとより良いだろうな、とも思います。

水元:サブスクめちゃくちゃ活用してますし、誰でもライトにコアな音楽に触れられる世の中はすごくいいんじゃないかなと思います。転換期だと思うので時代の流れに取り残されないようにしたいですけど、まあそれも含めてこの激流に身を置けるのは楽しいです。

小山:今のように気軽に音楽を聴くべきじゃないと言う人もいますが全くそうは思わないです。レコードの時代、CDの時代、それぞれ大切に聴かれてたように、今の時代には今の時代の大切にしかたがあると思います。高校時代、レンタルCDショップに通い詰めていた僕がタイムスリップしてきたら卒倒していると思いますね。

杉森:サブスクについて、自分はレコメンドの精度がすごいな…と思いました。知らない音楽を知れることで聴く幅も広がるので、発信する側にとってもチャンスが多い時代になったと思います。

──メジャーデビューの発表とともに40万円のギターを買うとの事でしたが使い心地や購入秘話などあれば教えてください(笑)。

杉森:自分より年上で、自分の持ち物の中で一番高い物品です! もうすでに何度かライブでぶつけてしまいましたが、無事です!

同じ時代を生きてる音楽を

──そして2/11 千葉LOOKを皮切りに全国ツアーがスタートしました。ツアー真っ只中になりますが、どんなツアーになっていますでしょうか?

かわむら:とにかく盤を出して、全国ツアーが出来ることに感謝しながら、一個一個のライブで、ディスジャパが同じ時代を生きて音楽をやっているぞ、ということを皆さんの顔を見てお伝えするようなツアーにしたいと思って周っています。

水元:とりあえずとにかく楽しんでライブをしようと思っています。実際楽しいですし。ファイナルのシェルターに向けてどんどん前に進んで行こうと思っているので、どんな姿になっているか楽しみにしていて欲しいです。

小山:僕らにとっても自分たちを再確認するようなツアーになっていると思います。よりいっそう自分たちが出している音、今、やりたいことへの理解を深めて、ステージの上で、音で返して行きたいと思います。

杉森:ライブ自体が久しぶりだったので、生きてる!! と、演奏中にひしひし感じました。お客さんに全力で楽しんでもらえるように、準備と情熱を絶やさず完走します。

──対バンにはコンピレーション参加のバンドを始め、THIS IS JAPANだからこそとも言えるバラエティ豊かな面々です。共演者への思いなどお聞かせください。

かわむら:バラエティ豊かすぎてなかなか思いがまとまりませんね。古くから知っている仲間や、音楽を通じて知り、リスペクトを込めてお誘いしたバンドまで、我々のツアーで一緒にライブをやれることに感謝しています。各地で対バンのライブを見て、負けてたまるかという思いになることが多いのですが、今回もまさしくそうです。負けない!

小山:改めてラインナップを見て、ワクワクが止まらなかったです。楽しみな一方、以前から仲良くしてもらっているバンドにも初めて対バンするバンドに負けないよう今自分たちができることを精一杯ステージで振り絞りたいです。

水元:好きなバンドしかいないのでツアーという舞台で一緒にやれるのが嬉しいです。

杉森:自分がライブを見たいバンドしかいないので、ただただ楽しみですね。はしゃぎすぎないか不安です。

THIS IS JAPAN×SHELTER

──ツアーファイナルはSHELTER 2DAYSとなります。1日目はNo Buses、ATATAとの対バン形式、2日目はワンマン公演ですがそれぞれどんな一日にしたいですか?

かわむら:下北沢SHELTERは、下北沢の象徴だと思っています。「夜、下北沢SHELTERにライブを見に行く」お客さんにとって、こんな言葉にすればありふれた1日を、素晴らしいものにしたいですね。1日目も2日目も、とにかくこのツアーで得たものや、これから皆さんに見せたい景色を意識してライブをしようと思います。確固たる自分の音楽を持つ対バン、言い訳なしのワンマン。どちらもファイナルです。

水元:どちらの日も来てくれた人が「やべー!!」と行ってくれる1日にしたいです。

小山:1日目は初めましてのバンドしかいないので、負けないようにという気持ちが強いですね(笑)。2日目は今、自分たちでしか作れないような空間が産み出せたらいいなと思います。

杉森:ツアー各地で既にたくさんのものをもらっているように思います。それらをしっかり噛みしめて、このツアーを見届けて下さっているお客さんにも、初めてシェルターで見るお客さんにも「ディスジャパ今一番面白いな!」と思ってもらえるような日にどちらもしたいです。

──THIS IS JAPANの皆様にはワンマンライブを始め、数多くSHELTERを選んでいただいていると思うのですが理由などはどんなことでしょうか?

かわむら:演奏する側も観ている側も輝くライブハウスだからです。どちらの立場でも、思い出に残る出来事が沢山あります。

水元:東京でバンドをやるからには一度はライブをしたい、そんなライブハウスですよね。

小山:日本のライブハウスの中でも、聖地というか、気合いの入る場所です。歴代バンドたちに対して恥ずかしくない様なライブをしたいといつも思っています。

杉森:入り口から何もかもがかっこよくて、初めてきた日から自分にとって特別な場所です。ステージに立つと、ピリリと身が締まる空気が大好きです。

──SHELTERで特に印象に残っている思い出があれば教えてください。

かわむら:杉森がお父さんから貰ったギターを床に叩きつけてへし折ったのは今でも鮮明に覚えています。杉森のお父さんにもSHELTERのステージの床にも申し訳ないですね。

水元:シェルターはステージから見える景色がすきです。結構お客さんとも近くて熱量を感じますね。

小山:しばしばモッシュが起きているイメージがあります笑。入り口がちょうど階段になっているので、「地下で暴れている」というイメージがより強調されます。

杉森:床にギターを叩きつけて申し訳なかったです。コーラが大爆発してしまったこともありました、併せてごめんなさい。

──今回の作品、ツアーを経て、THIS IS JAPANとして今後の展望などあれば教えてください。

かわむら:制作やツアーを通じて、改めて自分たちにやれること、伝えられることをちゃんと噛み締めて、いろんな人とライブハウスでお会いしていきたいですね。そこで何が出来るかチャレンジしていきたいです。あとはこれは嘘みたいな表現なのですが、音楽って演奏するのも観るのも楽しいぞということを皆さんに知ってもらいたいです。

水元:目指したいライブの姿が自分なりにわかってきていて、一瞬でもいいからそんな景色をツアー中に見れたらいいなと思ってます。

小山:どこか地方の中学生のギターケースにTHIS IS JAPANのバッジがたくさんつけられたらいいなと思います(笑)。

杉森:今年はオリンピックイヤーですし、バンド名に負けないよう大きくジャンプしたいです。

──それでは最後に、作品のリリース、ライブを楽しみにしている全国のファンに意気込みをいただけますでしょうか!

かわむら:今までのディスジャパを知っている方、知らない方、とにかくこれからの我々を見ていて下さい。きっと笑えます! よろしく!

水元:頑張っていろんなところ行くので頑張ってみんな来てきてねー!

小山:より面白い、かっこいいものが作れるように頑張ります! 47都道府県ツアー! やりたい!

杉森:是非近い未来でお会いできる日を楽しみにしています! THIS IS THIS IS JAPAAAAAAAAAAAAAAAN!!!!!

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