水資源が豊富な福井県には、名水百選に選ばれている大野市の「御清水(おしょうず)」や若狭町の「瓜割の滝(うりわりのたき)」など、保全状況の良好な湧き水がたくさんあります。
さらに、福井県内の水資源のブランド化を図るために「ふくいのおいしい水」を独自に定めていて、直接飲用可能な34箇所の湧き水がこれに認定されています。
そこで、福井県鯖江市内にある「ふくいのおいしい水」認定地巡りをしてきましたので、ご紹介します!
鯖江市内の「ふくいのおいしい水」① 許左羅江清水(こさらえしょうず)
鯖江市は水のきれいな地域で、「沢江」が鯖江の語源という説もあるほど。
鯖江市周辺にはかつて、『舟津七清水』と呼ばれる湧水地が点在していました。しかし、現在も湧出している遊水地は数少なく、許左羅江清水がその中の貴重な一つです。
許佐羅江清水は鯖江市指定文化財でもあり、かつては主に田んぼの用水に利用されていたそうです。
数年前に整備されたこともあり、現在は小さな公園のようになっているのが特徴。
また、鯖江市内の水路には、1950年頃まではトミヨという魚が生息していましたが、現在は県域絶滅危惧Ⅰ類に指定されている希少種となってしまい、県内では越前市の治左川にしか生息していません。
しかし、鯖江市では湧水の里づくりの一環として、トミヨを許佐羅江清水に呼び戻すため、専門家による調査を行っているそうです。
湧き水を汲む場所にはトミヨの水槽もあるので、覗いてみてくださいね。
家族連れで水を汲みに来ている方を見かけることも多く、生活用水として周辺住民の暮らしに根づいているようです。
柄杓やじょうごも置いてあるので、その場で飲むもよし、汲んで持って帰るもよしです。
鯖江市内の「ふくいのおいしい水」② 榎お清水(えのきおしょうず)
鯖江市指定文化財として認められている榎お清水。
鯖江市米岡町にある湧水池です。
このあたりにはかつて吉江藩館があったため、榎お清水は吉江藩のお泉水として利用されていました。
さらに、城下町として栄えていた場所ならではの歴史的なエピソードも数多く存在しています。
有名な浄瑠璃・歌舞伎の作者である近松門左衛門が幼少期を過ごしたのもこの辺りで、周辺には近松門左衛門に関する石碑や座像があります。
さらに、織田信長が朝倉攻めをする際に、炊事場として榎お清水に石組を造るように命じたとも言われています。
榎お清水までの道は、近松門左衛門が幼少期を過ごした頃を思い起こす里山ビオトープとして整理されていて、ハスの再生をテーマにした蓮池や、ホタルの再生、多様な里山の生き物をあらわす中溜池などを楽しむことができます。
この辺りでは、夏になるとホタルが見られるので、夏の夜にお散歩してみるのもいいかも。
私が行った時は、平日にもかかわらず、2組ほど水を汲みに来ていた方がいました。
やはりこちらも地域の方の生活に根づいているようです。
榎お清水は許佐羅江清水よりも冷たいのですが、味の違いはあまりわからず…。
しかし、水質は結構違うようです。
鯖江市内の「ふくいのおいしい水」③ 刀那清水(となしょうず)
刀那清水は鯖江市上戸口町の三峯山麓の集落にあります。
周辺はまるでトトロの世界のような雰囲気で、歩いているだけでなんだか楽しくなってきます。
さらに、もう少し進むと刀那の滝という滝があります。
標高440mほどの三峯山の山頂手前にあるので、ちょっとしたハイキングにぴったり。
ただし、季節によってはクマが出ることもあるので、お気をつけて!
鯖江市内の「ふくいのおいしい水 」④ 三場坂清水(さんばざかしょうず)
三場坂清水は鯖江市の河和田地区にある湧水地で、水源はさらに200mほど登った岩の間にあり、専用管で下まで流しています。
この下には、地元で昔使われたバッタリ(水車)が再現されていたりするので、昔の風景を楽しむこともできます。
さらにここから1時間弱歩いたところでは、継体天皇が植えたと言われている桜の孫桜、薄墨桜を見ることができるので、春に行くのがおすすめ。
鯖江市内の「ふくいのおいしい水」⑤ 桃源清水(とうげんしょうず)
継体天皇が水源を求めて訪れたと言われている土地にあります。
周りは自然にあふれ、まさに桃源郷といった雰囲気。(冬になるとこのようにかなり雪が積もります)
水車や池もあって、なんとなくオシャレな雰囲気でした。
観光の合間に鯖江市内の湧水池巡りをするのも面白いかも!
散策途中の休憩ポイントとしても利用してみてください。
各湧き水のアクセス・マップ・水質情報は以下でご紹介しています。